タレントの浦野一美さん(39歳)が、自身のブログとYouTubeチャンネルで、出産後に1万人に1人の確率で発症するとされる稀な病気「直腸膣瘻(ちょくちょうちつろう)」を患っていることを公表しました。この病気は、日常生活に著しい影響を及ぼす深刻な産後の後遺症であり、その壮絶な経験と病状について率直に語っています。
結婚・出産、そして待ち受けていた試練
浦野さんは2022年5月に6歳年下の一般男性と結婚し、翌2023年10月には待望の第一子となる女の子を出産しました。幸せな家庭を築き始めた矢先、産後に予期せぬ困難に直面します。
2025年6月13日、約7年ぶりにブログを更新し、リニューアルオープンを発表。その翌日のブログ投稿で、産後の身体に異変が起きていることを告白しました。「blogを再開しようと思ったのは、このお話を残したかったから」と、病気公表に至った動機を明かしました。
産後の後遺症「直腸膣瘻」とは
浦野さんが患っている「直腸膣瘻」は、出産が原因で直腸と膣の間に孔(あな)が開いてしまう病気です。ブログでは「簡単に言うと『膣から便が出てしまう』病気」と、その衝撃的な症状を包み隠さず説明しています。
この病気は非常に稀で、「産婦人科医の先生でも直腸膣瘻の患者さんに出会うことはめったに無い」と言われるほど。そのため、産後の検診では診断に至らず、浦野さんは長期間にわたり、人知れず痛みや「著しいQOL(生活の質)の低下」に悩まされ続けてきました。「自分でも嫌になる程恥ずかしくて戸惑いしか無い」と、精神的な苦痛も大きかったことを吐露しています。
「直腸膣瘻」を公表した浦野一美さん、手術前日に病院のベッドで語る様子
手術への決意と応援メッセージ
病気の公表と同じ日には、自身のYouTubeチャンネルも更新。手術前日の病院のベッドから、現在の心境を語る動画を公開しました。「まず子どもにね、会えないのがめちゃめちゃ悲しい」と、幼い我が子と離れることへの母親としての率直な気持ちを明かしました。
しかし、同時に力強いメッセージも発信しています。同じ直腸膣瘻に苦しむ人や、もしかしたらそうかもしれないと不安に思っている人々へ向けて、「私は絶対!完治して戻ってくるので絶対大丈夫なので!一緒に頑張りましょう」とエールを送りました。自身の経験が、誰かの希望や支えになることを願う浦野さんの姿勢がうかがえます。
広がる共感と感謝の声
浦野さんの勇気ある公表に対し、ブログやニュースのコメント欄には多くの反響が寄せられています。「産前に知れてよかったです」「言いにくいことを発信してくれてありがとうございます」「同じ経験を持つ者として勇気をもらいました」など、共感や感謝の声が多く見られます。稀であるがゆえに知られにくい産後のリスクについて、一石を投じる形となっています。
自身の壮絶な経験を赤裸々に語ることで、同じように苦しむ人々を勇気づけ、また社会全体に産後の女性が直面しうる困難について広く知ってもらうきっかけを作った浦野一美さんの行動は、大きな意義を持っています。
参照:ABEMA TIMES