2025年10月20日に放送された人気番組『しゃべくり007』(日本テレビ系)は、「超破格タイ旅行SP」と題し、タイにルーツを持つ人気アイドルグループSnow Manの向井康二と、ミャンマー出身の俳優・森崎ウィンをゲストに迎えました。番組では、向井康二が自身の過去を明かし、兄とともに「ムエタイ向井ブラザーズ」として活動していた異色の経歴や、家族共演のサプライズが大きな話題を呼びました。この出来事は、旧ジャニーズ事務所の流れを汲むSTARTO ENTERTAINMENTの新たな方針、そして令和の芸能界における「家族共演タブー」の終焉を象徴する一幕として注目されています。
「ムエタイ向井ブラザーズ」時代の知られざるエピソード
向井康二は番組内で、現在の事務所にスカウトされた経緯について「事務所の人が写真を見て僕をスカウトしてくれた」と説明。さらに驚くべきことに、「実は兄と2人でスカウトされた」と語り、かつては「ムエタイ向井ブラザーズ」として活動していた過去を明かしました。彼は当時の活動を「キラキラな衣装で周りが踊る中、間奏中は儀式をしていた」と懐かしそうに振り返り、その独特なパフォーマンスでスタジオの笑いを誘いました。活動期間は約3年間で、「ファンは1人くらいしかいなかった」という冗談も飛び出し、当時の秘話が満載でした。
人気アイドルグループSnow Manのメンバー、向井康二が明るい笑顔を見せるポートレート
『しゃべくり007』で実現した15年ぶりの兄弟共演と視聴者の反響
番組中盤、スタッフから「ムエタイ向井ブラザーズ15年ぶりの復活です!」というカンペが映し出されると、向井康二自身も「え?お兄は来ないっすよ」と戸惑いを隠せない様子でした。しかし、カーテンの奥からまさかの実兄が登場すると、スタジオは驚きと興奮に包まれました。向井の兄は現在デザイナーとして活躍しており、肩まで伸ばしたパーマヘアの姿に、くりぃむしちゅーの有田哲平をはじめとする共演者からも「イケメン!」と感嘆の声が上がりました。
このサプライズ共演に対し、X(旧Twitter)上では「こーじ君のお兄さんもイケメン」「地上波テレビで見れるなんて」「スカウトくるだろこれ」といった驚きと喜びの声が相次ぎ、大きな反響を呼びました。有田哲平から「自分が辞めて弟が大ブレイクしたのはどんな気持ち?」と問われた兄は、「嬉しい気持ちですけどね」と素直な心境を吐露。上田晋也からの「俺もSnow Man入っとけば…とか思わないの?」という質問に対しても、「僕はこんなにできないですね」と弟の才能を称賛しました。さらに、兄弟で当時の「儀式」を再現する場面もあり、息の合ったパフォーマンスにスタジオは再び笑いに包まれました。
STARTO社の新たな潮流:家族共演が象徴する芸能界の変革
芸能ジャーナリストは、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)所属のアイドルが、このように赤裸々に家族をテレビに登場させるのは極めて珍しいことだと指摘しています。旧ジャニーズ時代は、家族の話は兄弟がいるという程度に留められ、テレビ出演などは考えられない「家族共演タブー」とも言える閉鎖的な方針が一般的でした。SNSも禁止され、他事務所とのコラボレーションもほとんどなく、ドラマの公式ウェブサイトですら顔写真が掲載されないなど、厳しい情報統制が敷かれていたのです。
しかし、2019年のジャニー喜多川氏の死去以降、状況は大きく変化しました。SNSの解禁や他事務所との交流が積極的に進められ、家族のメディア登場も自然な流れとなってきています。例えば、Travis Japanの松田元太の妹・KOKOROさんが5人組ガールズグループ・UN1CONでデビューしたり、木村拓哉の娘であるCocomiやKoki,がモデルとして活動したりするなど、令和の芸能界は「家族ぐるみ」での活動が当たり前の時代へと移行しています。今回の『しゃべくり007』における向井康二兄弟の共演は、まさにこの令和の芸能界が迎えている「時代の変化」を象徴する一幕と言えるでしょう。