自民党の森山裕幹事長が消費税減税に否定的な考えを示した講演での発言について、兵庫県明石市の前市長である泉房穂氏(61)が自身のSNSを更新し、痛烈な批判を展開した。この森山幹事長の発言はネット上で波紋を広げており、泉氏は現在の自民党の政治姿勢を厳しく非難している。
森山幹事長の発言とその波紋
報道によると、森山氏は6月14日に地元である鹿児島県内で行われた講演で、消費税について言及。「消費税を守ることが国民を守ることにつながる。政治生命をかけて維持していく」と述べ、消費税の減税に対して強い否定的な見解を示した。この発言は、物価高に苦しむ国民感情とはかけ離れているとして、インターネットを中心に大きな批判を呼んでいる。
物価高対策を巡る政府・与野党の動き
森山氏の発言があった前日の6月13日には、石破茂首相が物価高対策の一環として、夏の参院選公約に国民一人あたり一律2万円の給付を盛り込むよう党幹部に指示していた。一方で、立憲民主党などの野党が主張する消費税減税に関しては、石破首相は「決定から実施まで1年程度を要する。結果的に高額所得者に手厚くなり、適切だとは考えていない」と繰り返し否定する姿勢を示している。政府・与党内でも、物価高への対応策を巡る意見の相違が垣間見える中での森山氏の発言となった。
泉房穂氏のSNS投稿と批判
こうした状況に対し、泉房穂氏は6月20日までに自身のSNSを更新。「『“消費税を守る”自民・森山裕幹事長の発言が波紋 “完全なる老害”“意味がわからない”ネット批判飛び交う』とのニュース」に言及する形で、森山幹事長の発想を「完全に終わっている」と切り捨てた。泉氏はさらに、「こんな政治が続く限り、国民の生活は楽にはならない」と現状の政治に対する強い不満を表明。そして、国民に向けて「国民よ、自民党政治を終わらせよう」と、政権交代を促すかのような呼びかけを行った。泉氏の投稿は、森山氏の発言に対するネット上の批判と同調するものであり、現政権への厳しい評価を示している。
兵庫県明石市の前市長、泉房穂氏。自民党・森山幹事長の発言についてSNSで批判を展開。
結論として、自民党の森山幹事長による消費税維持の強い姿勢は、物価高に苦しむ国民の感覚や、消費税減税を求める声との間に大きな隔たりがあることを浮き彫りにした。これに対し、明石市の前市長である泉房穂氏が自身のSNSを通じて自民党政治を痛烈に批判したことは、与党の経済政策、特に税制に対する国民や旧職政治家からの根強い不満を改めて示す形となった。夏の参院選に向け、物価高対策や消費税のあり方が重要な争点となる中で、こうした政治家の発言とその反響は今後の政局にも影響を与える可能性がある。