NHK党・立花孝志氏逮捕:金銭トラブルと異様な資金調達の実態

政治団体「NHKから国民を守る党」(NHK党)党首の立花孝志容疑者が、元兵庫県議に対する名誉毀損容疑で逮捕されました。彼の周辺では、これまでも金銭にまつわるトラブルや話題が絶えず、その異様な資金調達方法やずさんな管理体制が注目されています。本記事では、立花容疑者が公言してきた「選挙は金儲け」という言葉の真意と、彼が実践してきた独自の資金集めの実態について深く掘り下げます。

「選挙は金儲け」公言と独自の資金調達法

立花容疑者は自身のYouTubeチャンネルで「(選挙は)金もうけです。もうかるんですよ」と公言し、その言葉を体現するかのように、支持者らから多額の出資金を募り、億単位の資金を集めては選挙に大量の候補者を擁立するという手法を常套手段としていました。しかし、金銭トラブルの当事者によると、その資金管理は非常にずさんで、異様な金遣いが目立ったとされています。立花氏が代表を務めていた旧「NHKから国民を守る党」(現在の「みんなでつくる党」の前身)からは、彼が代表時代に自身に貸し付けた3億5千万円の一部について、業務上横領の疑いで今年5月に刑事告訴され、受理されています。

名誉毀損容疑で逮捕されたNHK党党首の立花孝志氏名誉毀損容疑で逮捕されたNHK党党首の立花孝志氏

高金利で資金調達、元「N国党」時代の経緯

長年にわたり立花氏とNHK党の動向を追い、対峙してきた「選挙ウォッチャーちだい」氏は、立花氏の金銭に対する姿勢を「一言で言うとルーズでいい加減。金に執着はありますが、貯め込むのではなくて、あればあるだけ使ってしまう。億単位の金を高金利で集め、ひとつの選挙に全額張るようなとんでもない使い方もしています」と語っています。

立花氏が党運営の資金を集める際、一般の政治団体が行うような寄付を募るのではなく、「出資」という形で資金を集めてきました。現在のNHK党は「無期限、無利息、無担保」を条件としていますが、「ちだい」氏によると、かつては年利15%という異常な高リターンを掲げていたといいます。その後も年利10%、そして5%と変更されましたが、それでも一般的な水準と比較すると高金利でした。裁判資料などによれば、旧N国党が国政政党となった後の2019年11月には、「1口100万円、年利5%、2025年12月末元金弁済」などの条件で約5億円を借り入れました。2021年以降も同様の手法が用いられ、当時借り入れた総額は計8億円にのぼるとされています。

「ちだい」氏は、「立花(容疑者)は、お金を集めることに自信がないんだと思います。国政政党だったんだから堂々と献金を募ればいいのに、現実的な返済計画もなしに高い金利を付けると言って出資でお金を募った。そして、国政政党だという信頼感もあって多額の金を集めることに成功しました」と指摘しています。

結び

立花孝志容疑者の逮捕は、彼を長年取り巻いてきた金銭トラブルの闇を改めて浮き彫りにしました。自身のYouTubeチャンネルでの「選挙は金儲け」という発言から、高金利での出資募集、そしてずさんな資金管理と業務上横領容疑に至るまで、その政治活動は常に金銭問題と隣り合わせでした。今回の逮捕を機に、その特異な資金調達と運営の実態がより一層解明されることが期待されます。

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