元タレント・中居正広氏と元フジテレビアナウンサーAさんのトラブルに端を発した一連の問題で、フジテレビは19日、清水賢治社長がAさんとこの日に対面で謝罪したことを同局の公式サイトで発表した。被害申告があったのにも関わらず、必要な対応を適切に行うことができなかったことや、精神的苦痛を与えてしまったことなどについて謝罪。また、一連の対応に関連して、Aさんが被った経済的及び精神的損害に対する補償を行うことについて合意書を締結したことを明かした。
25日の株主総会を前にした急展開となった。
同局は19日、第三者委員会の調査報告書における事案、事案に関連する同局及び同局役職員の一連の対応に関して、清水社長がAさんに対面で謝罪をしたことを報告。主な謝罪内容としては、「①本事案が、当社の『業務の延長線上』であると第三者委員会の調査報告書で指摘された状況で起きたこと、②Aさんからの被害申告があったにもかかわらず、当社がAさんの人権を救済するために必要な対応を適切に行うことができなかったこと、③本事案発生後の当社の対外発信によってもAさんに対して精神的苦痛を与えてしまったこと」とつづられた。
謝罪の上で同局は、事案に関連してAさんに対してなされる誹謗中傷からAさんを守るための措置を講じるように努めることを発表。事案や事案に関連する対応に関連して、Aさんが被った経済的及び精神的損害に対する補償を行うとした。同局は「当社としては、人権を軸に据えた改革の歩みをここで止めることなく、社会にとって信頼される存在であるために、更なる改革を推し進め、メディアという公共財としての責任を胸に、歩み続ける」と誓った。
今回の発表を受け、Aさんはコメントを発表。SNSでの攻撃や中傷について「心がずたずたになるようなつらい思いをし、時には生命の危険を感じることもありました。『言論』による人権侵害も決して許されないものであり、会社と協力して厳しく対応していきます」とした。
フジに対しては「私のように被害に遭ってキャリアを諦めてしまった女性や、つらい思いを抱えながら必死に働いている女性が他にも多くいること」を心に留め、組織風土の見直しや二度と被害が起こらない努力を続けてほしいと要望した。