【AFP=時事】イスラエルは16日、南部ベエルシェバにあるソロカ病院がイランのミサイル攻撃を受けた後、世界保健機関(WHO)が耳が痛いほどの「選択的沈黙」を続けていると批判した。
スイス・ジュネーブに駐在するイスラエル政府代表部のダニエル・メロン大使は、ソロカ病院は民間施設だと強調。ジュネーブのWHO本部前で撮影した動画をX(旧ツイッター)に投稿し、WHOにイランの攻撃を非難するよう求めた。
イランはソロカ病院を炎上させたミサイル攻撃について、イスラエル軍情報部の拠点を狙ったものだと主張している。
メロン氏の動画でWHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長に言及。「WHOとWHO事務局長のドクター・テドロスに、明確なメッセージを伝えに来た」と切り出した。
「数時間前、イスラエル南部の主要病院であるソロカ病院に、イランが発射した弾道ミサイルが直撃した。数十人が負傷し、数百人が避難を余儀なくされた」「ここは軍事施設ではない。民間病院だ。WHOの選択的沈黙は耳が痛いほどだ」と述べた。
「WHOは、イランがイスラエルの民間人を標的として弾道ミサイルを発射したことを非難しなければならない」と呼び掛けた。
WHOは、2023年10月7日のイスラム組織ハマスによる越境攻撃をきっかけにパレスチナ自治区ガザ地区で紛争が始まって以来、ガザの医療施設の被害に繰り返し言及してきた。17日にも、ガザの36病院のうち、現在、最小限または部分的に機能しているのは17病院のみだと発表した。
テドロス氏は19日、Xへの投稿で、「イスラエルとイランの間の敵対行為の激化は、医療施設および医療へのアクセスを危険にさらしている。これまでの医療への攻撃に関する報告にはがくぜんとさせられる」と述べ、例としてソロカ医療センターへの攻撃と、イランのケルマーンシャーにある病院が「近くの爆発で被害を受けている」ことを挙げた。
「われわれはすべての関係者に対し、医療施設、医療従事者、そして患者を常に保護するよう求める」と締めくくった。【翻訳編集】 AFPBB News