【ワシントン=池田慶太、ロンドン=蒔田一彦】米国のトランプ大統領は19日、イスラエルとイランの交戦に軍事介入するかどうかについて、2週間以内に判断すると明らかにした。軍事介入の構えを維持しつつ、交渉を通じてイランに核開発放棄を迫るとみられる。米国の軍事介入判断に猶予が生じる中、緊張緩和に向けた外交が活発化している。
キャロライン・レビット大統領報道官は同日の記者会見で、「近い将来、イランとの交渉の可能性があることを踏まえ、私は2週間以内に行動を取るかどうか決断する」とのトランプ氏の声明を読み上げた。
ロイター通信によると、先週以降、米国のスティーブン・ウィトコフ中東担当特使とイランのアッバス・アラグチ外相が複数回、電話で会談した。
トランプ氏は、週末にかけて連日、国家安全保障会議(NSC)の会合を開き、対応を協議する。トランプ氏はこれまで軍事介入について「やるかもしれないし、やらないかもしれない」と述べるにとどめている。
一方、アラグチ氏は米国との協議に関し、イラン国営テレビで「米国は交渉を望んでおり、何度かメッセージを送ってきたが、(イスラエルの)侵略が止まらない限り、交渉や外交の余地はないと伝えた」と述べた。
スイスのジュネーブでは20日、英仏独の外相、欧州連合(EU)のカーヤ・カラス外交安全保障上級代表がアラグチ氏と会談した。欧州側は緊張緩和に向け、イランに核開発放棄などを直接働きかけたとみられる。