内閣官房の元事務方トップ、アメリカとの交渉を回顧「飲まずにやってられるか」


 番組では、15日から17日までカナダで行われた先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、石破茂首相がトランプ米大統領と約30分、会談したものの、関税交渉の合意には至らなかったことなどを取り上げた。

 安倍政権時に内閣官房の事務方トップとして、第1次トランプ政権とTPP等の交渉にあたった渋谷氏は、「アメリカって、すごくやりにくい相手ですね。アメリカってトランプ政権であろうがなかろうが、前からずっとアメリカファーストなんですよ。とくに第1期政権の時に日米貿易交渉をやりましたが、最初の向こうの主張は、『日本は貿易黒字、アメリカは赤字、アメリカは被害者なんだから、アメリカは譲る必要は一切ない。日本が一方的に譲歩するべきだ』ここから始まるわけですよ」と語った。

 続けて「別に“高めの球”ということではなくて、本気でそう思ってるんですね。『交渉ってそういうもんじゃないだろう』と当時の茂木(敏充)大臣が一生懸命言って、3回目ぐらいからようやく、話が始まったっていうことなんで。はっきり言ってかなり…我々、交渉が終わるといつもホテルに帰って『これが飲まずにやってられるか』みたいな…」と笑いを誘った。

 今回の関税交渉については、「日米首脳会談ができたことは“ひとまず”大きな成果」とし、「とにかく、30分会談ができたというのはすごい良かったと思いますね。メキシコの大統領とか、インドの首相とか、韓国の大統領とか、トランプさんに会うために行ったのに結局会えずに…トランプさん帰っちゃったから。日本側も申し入れしてましたけど、なかなかセットされなくて。安倍総理の時も、セットされない時はもう廊下でトランプさんを待ち伏せして、みたいなことをやっていました。たぶん、それに近いことを今回、外務省もだいぶ苦労したんだと思います」と述べた。

 また、日本側がアメリカに日本の立場や考えを伝えることに苦労していることに、ほんこん(62)が、「もっと言うたったらいい。『なめてんのか』と…」強気で主張するべきだと訴える。

 “ケンカ腰”の交渉について、渋谷氏は「当時、茂木大臣と一緒に交渉しましたが、茂木大臣は(当時の)ライトハイザー通商代表とかなり怒鳴り合いに近い感じ。TPP交渉の時は、甘利(明)大臣が頭にきて席を立って退席、決裂っていう…。ただ決裂されると、その後しばらく交渉ができなくなるんで、我々事務方的にはとても大変。甘利さんは日本語でワーッとまくし立てて、その後出て行かれたんですけど。通訳が1人残って、その甘利さんの通訳を…」と当時の様子を振り返っていた。



Source link