【エルサレム=福島利之、ベルリン=工藤彩香】イスラエル軍のエヤル・ザミール軍参謀総長は20日、ビデオ声明で、「イスラエルは長期戦に備える必要がある」と述べた。当面はイランへの攻撃を継続する構えを見せ、早期終結の可能性を否定したものだ。
イスラエルのネットメディア「タイムズ・オブ・イスラエル」によると、軍は17日の時点で、イランの核施設への攻撃は1~2週間以内に完了するとの見通しを示していた。トランプ米大統領が19日、米国の軍事介入を2週間以内に判断すると発言したことを受け、軌道修正したとみられる。
ザミール氏はイランがミサイル生産を加速させ、2年後には現在の2500発から8000発に達する恐れがあったとも指摘。核開発の進展と合わせ、増大するイランの脅威が「先制攻撃を余儀なくさせた」と軍事行動を正当化した。
一方、イラン側は20日もミサイル攻撃を続けた。イスラエル北部ハイファではモスク(イスラム教礼拝所)付近に着弾し、救急当局によると、少なくとも23人が重軽傷を負った。