東京都議選開票速報:都民ファーストと自民党、第一会派確保へ激戦

任期満了に伴う東京都議会議員選挙(定数127)が22日投開票され、小池百合子知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」と自由民主党が、議会における第一会派の確保を目指して激しく競り合っている。今回の都議選では、物価高への対策や、いわゆる「政治とカネ」の問題が主要な争点となった。投票率は前回の都議選と同程度か、やや上昇する見込みとなっている。これら都民ファーストと自民党の2党派に加え、他の党派も一定数の議席を獲得する見通しで、前回選挙に続き、都議会の構成は多極化が続くものとみられる。この都議選は、今夏に予定される参議院議員選挙の前哨戦としても位置づけられており、選挙結果が今後の国政運営、特に政権への影響にも注目が集まっている。

東京都議選開票中の都庁舎と都議会議事堂東京都議選開票中の都庁舎と都議会議事堂

選挙前の段階で都議会第2会派であった都民ファーストの会は、推薦候補を含めて議席数を伸ばし、再び第一会派の座を奪還することを目指している。前回選挙では最終日のみの応援であった小池知事が、今回は告示前から候補者の個人演説会などに積極的に参加。告示後も頻繁に街頭演説に立ち、今夏4カ月間の水道基本料金の無償化や、子育て支援対策などのこれまでの実績を強調して支持を訴えた。毎日新聞が行った出口調査によると、都民ファーストは特定の政党を支持しない無党派層からも広く支持を集め、第一会派となる勢いを見せている。

一方、自民党は、会派の政治資金パーティーを巡る裏金問題で立件された事件を受け、会派幹事長経験者6人を非公認とする異例の対応を取った。これら非公認候補や、自民党会派に入る無所属現職を合わせた「自民系」全体で、選挙前勢力である30議席の維持を図ったものの、その情勢は微妙な状況にある。選挙戦最終日の21日には、党総裁である石破茂首相が告示後初めての街頭演説に立ち、「困っている人に(支援が)きちんと早く行き届くような政策をやる」と支援を訴えた。また、小池知事も同日、知事就任以降の都議選では初めて自民党候補の応援に入り、自民党を自身の「小池与党」と認める姿勢を明確にしたことが注目されている。

9回連続での全員当選を目指す公明党は、現有議席から1減の22人の候補者を擁立した。選挙戦序盤から小池知事の応援を得ており、特に激戦が予想される選挙区では2度目の街頭演説を請うなど、全面的に小池知事からの支援を受けて選挙戦を展開した。

都民ファーストの会や小池知事と関係が近いとされる国民民主党の玉木雄一郎衆議院議員が代表を務める国民民主党が、今回都議選で議席を獲得できるかどうかも注目点の一つである。さらに、国民民主党に自民党と公明党、そして都民ファーストの会を加えた勢力で、都議会の過半数を維持できるかどうかも焦点となっている。

共産党と立憲民主党は、候補者間の競合を避けるため、定数3人以下の選挙区を中心に候補者の調整を行った。両党とも、選挙戦の序盤から共産党の田村智子委員長や立憲民主党の野田佳彦代表ら党幹部が応援に入るなど、党の総力を挙げて選挙戦に臨んだ。両党は、小池知事に対峙する勢力として、議席の上積みを目指した。

その他、参政党は都議選への初めての挑戦で議席獲得を狙っている。昨年の東京都知事選挙で次点となった石丸伸二前広島県安芸高田市長が設立した地域政党「再生の道」や、れいわ新選組といった勢力も、今回の選挙で議席獲得を目指している。

都議選の開票作業が進むにつれ、各党派の獲得議席数が明らかになってくる。第一会派を巡る都民ファーストの会と自民党の争い、そして他の党派の獲得議席により、今後の東京都政の運営体制や、国政、特に迫る参議院選挙への影響が注視される。

出典:毎日新聞