米、イラン核施設空爆 トランプ氏「成功」強調 体制転換は目指さず・中東情勢、一段と緊迫


 攻撃が行われたのはイラン時間の22日未明で、中部フォルドゥなどにある3カ所の核施設が標的となった。イランは攻撃後も核開発継続の意向を示し、中東地域の米軍基地などに報復攻撃を行う構えだ。イスラエルの対イラン先制攻撃に端を発した中東情勢は、一段と緊迫の度合いを増している。

 トランプ氏は攻撃後ホワイトハウスで演説し、「イランの主要な核濃縮施設は完全に破壊された」と強調し、イランに和平協議に応じるよう要求。SNSでは「大きな成功を収めた」と述べる一方、米国が報復攻撃を受ければ「強大な力で迎え撃つ」と投稿した。

 ヘグセス米国防長官は22日の記者会見で、空爆は最高指導者ハメネイ師が君臨するイランの現体制の転覆を目指してはいないと明言した。バンス米副大統領はNBCテレビで「われわれはイランと戦争していない。イランの核計画と戦争している」と主張した。

 攻撃対象はフォルドゥのほか、中部ナタンズ、イスファハンにあるウラン濃縮関連施設。地中深くにあるフォルドゥとナタンズの2施設への攻撃では、B2戦略爆撃機が地下貫通型爆弾「バンカーバスター」を計14発投下した。イスファハンの施設には、潜水艦から巡航ミサイル「トマホーク」が撃ち込まれた。

 国防総省によると、攻撃は数カ月前から準備され、米東部時間21日午後6時40分(日本時間22日午前7時40分)ごろから約25分間にわたって実行に移されたという。攻撃後も現地一帯での放射線量は増えていないとみられる。

 イランのアラグチ外相は訪問先のトルコで、米国の攻撃は国際法に反すると非難し、国益を守るため全ての選択肢を排除しないと表明。米国との交渉については「攻撃され、今は外交の時ではない」と語った。ロイター通信によると、国営テレビは「この地域の全ての米市民・軍が標的となった」との見解を伝えた。

 米国は従来、対イラン直接参戦に慎重だった。しかし、トランプ氏は18日、核開発を放棄しないイランへの「忍耐は切れた」として参戦の可能性を示唆。19日には攻撃について「2週間以内に決断を下す」と述べ、外交交渉の余地を残す考えも示していた。 



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