花宮いのり、多彩な活動の裏側:アイドルからグラビアへの葛藤と成長

コスプレイヤー、グラビアモデル、そしてかつてはアイドルグループ「Couleur Clarity」のメンバーとして多方面で活躍する花宮いのり。前編に続き、後編となる本記事では、彼女が歩んできた道のり、特にグラビア活動を始めたきっかけや、露出に対する考えの変化、そしてファンとの関係性について、その率直な思いを語る。

グラビア、コスプレイヤーとして活躍する花宮いのりさんの撮り下ろし写真グラビア、コスプレイヤーとして活躍する花宮いのりさんの撮り下ろし写真

キャラクターコスプレでフォロワーが増え始めた頃、撮影会の運営から声をかけられたことがグラビアや水着での活動を始めるきっかけだったという。当時の神奈川県の時給856円と比較して、撮影会では数千円を得られることが大きな魅力だった。「ものすごく大金でしたし、正直言うと最初は割のいいバイト感覚でした。露出は少なめだし、可愛い服をたくさん着られるし、みんな喜んでくれるなんてハッピーでラッキー!みたいな(笑)」と、活動開始時の率直な動機を明かす。

当初は露出度の高い衣装にかなりの抵抗があったと語る。「コスプレの衣装を選ぶ時ですら、絶対露出がない衣装にしようって考えていたぐらいでした」。しかし、活動を続けるうちに「感覚って麻痺しちゃうんですよね」。今では「可愛く見えて、スタイルがよく見えるんだったら全然OK!」と、考え方が大きく変化したことを率直に認めている。

露出を増やしたことについては、「来て下さるお客さんが本当にいい人たちで、ポージングが決まると、すごく喜んでくれて、写真も綺麗に撮ってくれるんです。それってWinWinじゃないですか」と、ポジティブな側面を強調する。隠すよりも堂々と見せた方が潔いと感じるようになったという。ファンの撮影技術向上にもつながり、「共に成長している感覚かもしれません」と、ファンとの良好な関係性を示唆した。

撮影において意識している点として、コスプレでは「いかにコスプレするキャラの解像度を高く仕上げて、キャラになりきれるか」を最も重要視している。そのためにウィッグ製作は友人に依頼するなど、クオリティを追求する。一方、グラビアでは「なるべく女性らしい曲線を綺麗に見せること」と、「いかに下品に見せないようにするか」を意識しているという。

「綺麗」と「下品」の境界線を見極める難しさについても言及した。特に、母親が自身のアカウントをチェックしているため、「あんたやりすぎだよ」と言われないように気をつけ、「綺麗になった」と思ってもらえるギリギリのラインを攻めていると語り、自身の活動における一つのブレーキとなっていることを示唆した。

花宮いのりの歩みは、自身の葛藤と向き合いながら新たな表現方法を見出し、ファンと共に成長していく過程だったと言える。初期の動機から変化し、露出に対する考え方も柔軟になった彼女は、今後も様々な活動を通じて表現の幅を広げていくだろう。母親の存在が示すように、彼女の活動は常に他者との関わりの中で形作られている。

Source link