〈毎月新潟に訪れて約1年かけて農業を学んでいくよ〉──モデル、タレントとして、常に時代の先端を走り続けてきたローラ(35)が今、心から夢中になっているのが「農業」だ。今年3月、自身のインスタグラムで本名「佐藤えり」を公表すると同時に、母親の故郷である新潟の地で、1年かけて農業を学ぶことを宣言。多くのファンを驚かせた。
新潟での農業挑戦を宣言するモデル、ローラ
農業挑戦への賛否両論
芸能プロ関係者によると、ローラはアメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動しており、2020年には自身が監修するライフスタイルブランドを立ち上げ、サステナブルなアイテムを提案してきた。その中で、新潟での農業挑戦を報告したことは、彼女の一貫したテーマに沿うものとも言える。しかし、今月7日に田植えする様子を自身のインスタグラムにアップした際、〈裸足はヒルなどに噛まれるリスクがあり、危険なのでは〉〈農業についてよく知らないのでは〉といった声が上がり、SNS上で物議を醸す事態となった。米不足が深刻さを増し、農家が置かれる厳しい環境に注目が集まる今、ローラの活動を好意的に見る声が多い一方、あまりにスタイリッシュな農業スタイルから、SNSでは〈ファッション農業なのでは?〉と疑問の声も上がっている。はたして彼女の農業への「本気度」はどれほどなのか。NEWSポストセブン取材班は、その真意を探るべく現地に足を運んだ。
現地・新潟県関川村へ
新潟県北東部に位置する関川村は、東京駅から新幹線で新潟駅を経由し、さらに車で約1時間かかる場所にある。都市の喧騒から離れるにつれて、目に映る風景は鮮やかな緑に変わっていく。ここには、ローラが月に1回通って農業を学ぶというA農園がある。実際に、近隣に住む女性は近くでローラを見かけたことがあると話す。「6月の上旬ごろにお見かけしました。黒のショートパンツみたいなのをはかれていて、すごくスタイルが良くて、やっぱりオーラが違いましたね。芸能人っていう感じ。でもすごく笑顔で、楽しく作業をされていたのが印象的でした」。
村で唯一の「雑穀農園」
ローラはInstagamで〈祖先が眠る新潟で、雑穀やお米、野菜さん達を畑で耕すことを決めました〉と報告しているが、A農園は主に雑穀と野菜を育てているという。この地域で農業に従事する80代の男性は、A農園についてこう語る。「ああ、あそこの農園かい。ここら辺は米や野菜を作っている農家がほとんどだけど、あそこは珍しく雑穀を専門的に栽培しているんだよ。なんでも、そこのお父さんがアメリカで新しい農業を学んできたとかでね。近くで雑穀を育てているのはあそこだけ」。地域の他の農家とは一線を画しているようだ。男性はさらに続ける。「正直、わしらもどうやって食べるもんなのか、よく分からんよ。農協であの農園の関係者を見かけることもないから、自分たちで直接売ってるんじゃないのかな」。一方、週末になると若い人たちが多く訪れているのが目につくという。「体験会かなにかをやっているみたいでね。長野、富山、いろんなナンバーの車が停まっとる。子ども連れの家族も多くて、いつも賑やかだよ」。
ローラの本名公表と故郷での農業挑戦は大きな話題を呼んだが、その「本気度」については様々な憶測が飛び交った。しかし、実際に現地・新潟県関川村のA農園に足を運び、ローカルな声に耳を傾けると、彼女が実際に作業に励む姿や、その農園が地域では珍しい専門性(雑穀栽培、アメリカ式農業)を持ち、さらに週末には多くの家族連れで賑わう「体験」の場ともなっている実態が見えてきた。単なる流行や見せかけではなく、特定の農業スタイルを追求し、地域や外部との交流を生み出す、活気あるプロジェクトが進行していることがうかがえる。