中居正広氏問題で揺れるフジテレビ、古市憲寿氏の動きと社内の波紋

元タレントの中居正広氏(52)の女性トラブルに端を発した一連の問題が、フジテレビに未曾有の危機をもたらし、現場局員にも大きな影響を与えている。この事態に対し、フジテレビは対応を進める一方で、社会学者の古市憲寿氏(40)の取る行動が新たな波紋を呼んでいる。本記事では、フジテレビの最新の対応、古市氏の動きとその反響、そして局内に広がる影響について詳述する。

元タレント中居正広氏とフジテレビ本社ビル。同氏関連の一連の問題が波紋を広げている。元タレント中居正広氏とフジテレビ本社ビル。同氏関連の一連の問題が波紋を広げている。

フジテレビ、被害女性への謝罪と対策合意

フジテレビは6月19日、公式サイトを通じて、中居氏とのトラブルが報じられた元同局アナウンサーである被害女性(第三者委員会の調査報告書における女性A)に対して、清水賢治社長(64)が直接謝罪したことを発表した。さらに、被害女性との間で誹謗中傷対策などについても合意がなされた。

公式サイトの発表では、「当社は、本日、第三者委員会の調査報告書における本事案、並びに、本事案に関連する当社及び当社の役職員の一連の対応に関して、被害女性Aさん(第三者委員会の調査報告書における女性A)に対して謝罪を行うとともに、Aさんとの間で誹謗中傷対策等について合意いたしました」と説明されている。フジテレビは、被害女性へのケアとハラスメント体質があるとされる社風の改善に向けた対応を粛々と進めている状況だ。

古市憲寿氏による代理人弁護士への「質問状」送付

こうしたフジテレビの対応が進む中、社会学者の古市憲寿氏の言動が注目を集めている。古市氏は6月18日、自身のX(旧Twitter)を更新し、被害女性(X子さん)の代理人弁護士に対し、12日付で質問状を送付していた件について回答があったことを明かした。

古市氏はX上で、被害女性の代理人弁護士宛に送付した文書が全8ページにわたり、以下の7項目について確認を求めたとポストしていた。

  1. 「失恋事案」発言がなかったことの確認
  2. メディア報道が冤罪を生まないために
  3. 誰が「示談書の内容」を漏洩したのか
  4. 「9000万円」解決金に関する報道は事実か
  5. 第三者委員会と中居正広さん代理人弁護士の「見解の相違」
  6. 今後の確認について
  7. 回答について

古市氏は、代理人弁護士から「全ての論点に対してこたえがあったわけではないものの、誠実な回答があった」とし、「一連の問題に関しては、別の角度からの取材や調査も進めていますので、きちんとまとまった段階で発表ができればと思っています」と、今後の情報公開を示唆した。

古市氏の行動に対する賛否と疑問の声

中居氏の代理人ではない古市氏が、被害女性の代理人弁護士に自ら質問状を送付したことに対し、SNS上では賛否両論が巻き起こっている。特に批判的な意見が多く見られ、「探偵?警察?」といった揶揄や、「100歩譲っても非公開にするべき」「あなたが間違っていた場合、このセカンドレイプの責任をどう取るのか」「誰か止めて上げる人、周りにいないの?」といった厳しい声が多数寄せられている。

古市氏の「中居氏と女性の間で本当は何があったかを明らかにしようとする動き」「中居氏が一方的に叩かれているのは不公平」とする考え方には賛同する声もあるものの、多くの人は、中居氏の代理人でもない彼が、女性の代理人の住所まで調べて質問状を送付するという行動そのものに強い違和感を感じているようだ。特に、古市氏に直接関係がないはずの「誰が『示談書の内容』を漏洩したのか」といった質問には、「どの立場で聞いているのか?」という疑問の声が上がっている。さらに、調査を続け公表を示唆する姿勢は、被害女性サイドを執拗に追い詰めているように見える、との指摘も少なくない。

フジテレビ上層部の懸念と社内の「飲み会」問題

古市氏の一連の行動は賛否を呼んでおり、その動向はフジテレビ上層部も注視している可能性が指摘されている。6月25日にはフジ・メディア・ホールディングス(FMH)の株主総会が控えており、大株主の様々な動きもあり、今回の問題が株主総会で紛糾するのは必至と見られている。

今回の「中居氏・フジテレビ問題」を受け、同局内ではハラスメント防止などに向けたガイドラインや規定が大きく見直されている。数か月が経過し、新たな議論となりつつあるのが「飲み会」についてだ。問題発覚以降、フジテレビでは全社的に「飲み会は当面やめよう」という雰囲気が広がっていたが、現場からは「限界」に達しつつあるという声も出ているという。一連の問題は、フジテレビの社風や文化にも根深い影響を与えている。

参考文献