立憲民主党は24日の常任幹事会で、参院選(7月3日公示、20日投開票)の比例区で、蓮舫・前参院議員(57)の公認を決定した。知名度が高い蓮舫氏の擁立で全国的な票の掘り起こしにつなげる狙いがある。しかし、昨夏の東京都知事選で大敗しており、立憲内には「党にプラスかわからない」(党ベテラン)と異論もあった。
蓮舫氏はもともと東京選挙区選出。昨年7月、都知事選に無所属で立候補し、参院議員を自動失職。選挙戦では立憲や共産党などの支援を受け、約128万票を獲得したが、小池百合子知事や石丸伸二・前広島県安芸高田市長に続く3位に沈んだ。
■連合系議員「ほかの比例候補が落選しかねない」
蓮舫氏は野田佳彦代表の側近の一人で、野田氏らは今春、参院選比例区への擁立方針を固めた。だが、連合は比例区で立憲から6人の組織内候補の擁立を決定済みで、労組系議員から「当落線上にいるほかの比例候補が落選しかねない」(参院議員)との反発が噴出。党執行部は参院側や労組との水面下の調整を続けていた。今月22日投開票の都議選で立憲が議席を増やしたことを踏まえ、擁立にかじを切った。
ただし、参院選で連合の組織内候補が当選圏内から押し出されるかたちで蓮舫氏が返り咲きを果たした場合、参院側で野田氏の判断への不満が出る可能性がある。
蓮舫氏はタレント、報道キャスターから2004年に参院議員に転身。民主党政権の行政刷新相、民進党代表、立憲代表代行などを務めてきた。(大久保貴裕、南有紀)
朝日新聞社