イラン・イスラエル停戦、「勝利」巡り双方主張 米は戦闘終結へ

【テヘラン、エルサレム共同】イスラエルとイランの間で合意された停戦後も一部で攻撃が続く中、双方の首脳が自国の「勝利」を主張している。イランのペゼシュキアン大統領は「歴史的な大勝利だ」と誇示。一方、イスラエルのネタニヤフ首相も「歴史的勝利」だったと強調した。停戦はおおむね維持されている模様だが、認識には大きな隔たりが見られる。

イラン「我が国の意志で戦闘終結、歴史的な大勝利」

イランのペゼシュキアン大統領は24日、イスラエルとの停戦合意について言及し、イスラエルが一方的に開始した戦闘を「イランの意志で終わらせた」と強く主張した。大統領は、この停戦実現こそがイランにとって「歴史的な大勝利だ」と位置づけ、国民に向けて成果を誇示した。

停戦合意について「歴史的な大勝利」だと主張するイランのペゼシュキアン大統領停戦合意について「歴史的な大勝利」だと主張するイランのペゼシュキアン大統領

イスラエル「核と弾道ミサイルの二つの脅威を排除」

イスラエルのネタニヤフ首相も同日、声明を発表した。首相は、今回の戦闘はイランの核開発および弾道ミサイル能力という、イスラエルにとっての二つの主要な脅威を排除するために行われたと説明。この目標を達成できたことが、イスラエル側の「歴史的勝利」につながったとの認識を示した。

イランの脅威排除を達成し「歴史的勝利」を主張するイスラエルのネタニヤフ首相イランの脅威排除を達成し「歴史的勝利」を主張するイスラエルのネタニヤフ首相

米大統領、正式な戦闘終結を宣言へ

トランプ米大統領は、米東部時間25日午前0時(日本時間25日午後1時)ごろ、イスラエルとイラン間の戦闘が正式に終結すると宣言する見通しを示唆した。米国の公式な終結宣言は、停戦の定着に向けた一つの節目となる。

イラン、国際枠組みでの米国との問題解決に意欲、外交攻勢を強化

イラン側は24日、停戦合意後の外交面での動きを活発化させた。ペゼシュキアン大統領はサウジアラビアのムハンマド皇太子と電話会談を行い、「国際的な枠組みに基づき、米国との問題を解決する用意がある」と前向きな姿勢を表明した。また、アラグチ外相も中国の王毅外相と電話で協議し、今回のイランによる攻撃はあくまで自衛のための正当防衛に基づくものだったと主張。これらの外交努力は、イランの立場を国際社会に説明し、各国からの理解と支持を取り付ける狙いがあるとみられる。

双方による「勝利」主張は、国内および国際社会に向けたメッセージとしての側面が強いと分析される。米国による正式な戦闘終結宣言が待たれる中、イランが今後どのような外交戦略を展開していくかが注目される。

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