都議選「無所属」当選者が即「自民党」へ 追加公認巡り「詐欺だ」と批判の声

東京都議会議員選挙が終了した直後、無所属で立候補し当選した複数の候補者が、即座に自民党から追加公認を受けたことが波紋を広げています。この動きに対し、「無所属詐欺」ではないかとの批判が噴出しており、有権者からの「騙された」という声も上がっています。特に、お笑いタレントのグレート義太夫氏がSNS上で「無所属詐欺」と表現し、疑問を投げかけたことが注目を集めました。

都議選後の「無所属」候補、自民党へ追加公認

今回の都議選で「無所属」として出馬し当選した後、自民党から追加公認を受けたのは3人です。具体的には、江戸川区選挙区の宇田川聡史氏、島部選挙区の三宅正彦氏、目黒区選挙区の青木英太氏が該当します。これにより、都議会自民党の議席は21議席となりました。選挙期間中は「無所属」として活動していた候補者が、当選が確定した途端に特定の政党、特に自民党からの公認を受けるという事態は、有権者に対して説明責任が求められる状況を生み出しています。

東京都議会議員選挙で当選後、自民党の追加公認を受けた三宅正彦氏(左)、青木英太氏(中央)、宇田川聡史氏(右)東京都議会議員選挙で当選後、自民党の追加公認を受けた三宅正彦氏(左)、青木英太氏(中央)、宇田川聡史氏(右)

有権者から「騙された」との声

当選後の追加公認に対し、SNS上では多くの有権者から不満や怒りの声が上がっています。「無所属だから」という理由で投票した有権者からは、「当選した途端、自民党を公表するなんて正直言って詐欺」「騙された」といった意見が見られます。また、自民党に限らず「無所属なのにステルス○○党」のような候補者が増えている現状に対する懸念も表明されており、投票前に候補者の背景をしっかりと調べる必要性を訴える声も少なくありません。

背景にある「裏金問題」と非公認の事情

全国紙の政治部記者によると、今回追加公認を受けた3議員は、都議会自民党内で発覚した裏金問題に関与したとされる現職議員や、その会派の出身者が含まれているとのことです。これらの事情から、選挙では党の公認を得られずに「非公認」候補、すなわち「無所属」として立候補せざるを得ない状況だったと解説されています。しかし、こうした党内の事情を知らない、あるいは「自民党には投票したくない」と考えている有権者が、「無所属だから」という理由でこれらの候補者を選択した可能性は十分に考えられます。結果として、意図せず自民党とつながりのある候補者に投票してしまったと感じる有権者がいるため、「騙された」という感情が生まれる背景となっています。

当選者の弁明:「当初から自民党公認目指した」

追加公認を受けた当選者のうち、目黒区選挙区の青木英太氏は自身の立場について弁明しています。青木議員は、「今選挙においては、当初から自民党公認を目指しておりましたが、目黒区の選考会において選出して頂けず、公認を得ることができませんでした。そのため、無所属での出馬を決意した次第です」と説明しています。この弁明は、候補者側の視点を示すものですが、有権者にとっては、選挙期間中の「無所属」という立場が、当選後の政党帰属を見据えた戦略であったと受け取られかねず、透明性の問題として議論を呼んでいます。

今回の都議選における無所属候補の当選後の追加公認問題は、選挙における候補者の所属政党の表示方法や、有権者への情報提供のあり方について、改めて考えるきっかけを投げかけています。

Source link