パレスチナ自治区ガザでは6月24日、イスラエル軍による攻撃が発生し、少なくとも29人のパレスチナ人が死亡した。これは現地医療関係者や住民が明らかにしたもので、イスラエルとイランの間での停戦合意が発表された直後の攻撃となった。イスラエル軍はガザ北部の一部地域に対し、イスラム組織ハマスへの軍事攻撃を示唆する避難命令のビラを散布するなど、作戦を継続する姿勢を見せている。
トランプ米大統領はイスラエルとイランの間の空爆に関する停戦合意を発表したが、ガザにおけるパレスチナ人への攻撃停止に向けた具体的な展望は開けていないのが現状だ。
ガザ市内の病院で手当てを受ける負傷者や対応する人々。24日のイスラエル軍攻撃による犠牲者に関連。(2024年6月24日撮影)
24日のガザ情勢と死者数
24日に発生したイスラエル軍の攻撃により、ガザ地区全体で少なくとも29人のパレスチナ人が命を落とした。この数字は、激化する衝突の新たな犠牲を示している。特にガザ中部のヌセイラトにある病院からは、米国が支援するガザ人道財団(GHF)の支援物資配布所の近くに集まっていた人々の中から、死者19人と負傷者146人が搬送されたとの報告があった。
人道支援拠点周辺での事案
ヌセイラトでの事案について、搬送先の病院は多数の死傷者が出たとしているが、GHFはロイターのコメント要請に対し、支援拠点付近でそのような事案に関する報告は受けていないとメールで回答している。
イスラエルは、ガザへの支援物資搬入の大半をGHF経由で行っており、GHFはイスラエル軍が警備する地域に複数の配給拠点を設けている。これに対し、国連はGHFの配給体制が危険であり、人道的な中立性にも違反しているとして否定的な見解を示している。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ事務局長は24日、ベルリンで記者団に対し、これらの支援拠点周辺が「死の落とし穴」になっていると指摘し、懸念を表明した。
その他の攻撃と長期化する危機
医療関係者によると、24日にはガザの複数の住宅もイスラエル軍による空爆を受け、少なくとも10人が死亡した。イスラエル側は、武装勢力が住宅地を拠点として利用していると主張している。
ガザ保健当局の発表によれば、2023年10月に戦闘が開始されて以降、ガザ側での死者は累計で約5万6000人に達している。ガザの200万人を超える住民の大半は避難を余儀なくされており、全域で食料危機をはじめとする人道状況が深刻化の一途をたどっている。
まとめ
6月24日、パレスチナ自治区ガザではイスラエル軍の攻撃により多数の死傷者が発生し、少なくとも29人のパレスチナ人が死亡した。これは、イスラエルとイラン間の停戦合意が報じられる中でも、ガザでの軍事作戦が継続されている現実を浮き彫りにしている。特に、人道支援物資の配布拠点周辺での事案や住宅への空爆は、ガザ住民が直面する危険な状況を示している。2023年10月からの衝突は数万人の犠牲者と深刻な人道危機を引き起こしており、事態の打開は依然として見通せない状況が続いている。
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