石破首相、参院選控え自民党内に不満の声相次ぐ – 相次ぐ選挙敗北で退陣論も浮上

7月3日公示、20日投開票の参院選を目前に控え、自民党内で石破茂首相(党総裁)への不満がくすぶっている。自民党は、与党過半数割れとなった昨年10月の衆院選に続き、今月22日投開票の都議選でも大敗を喫した。昨年9月の党総裁選では、石破首相は派閥パーティー収入不記載事件の逆風を打ち消す「選挙の顔」と期待されたが、現在のところ選挙で結果を残せておらず、早くも参院選後の退陣論が出ている。

石破茂首相が閣議に臨む様子石破茂首相が閣議に臨む様子

相次ぐ選挙敗北と首相への期待外れ

昨年10月の衆院選では、自民党は約30年ぶりの少数与党に転落した。この結果を受け、党内、特に参院議員からは、首相には「参院選を戦う党の顔としての資格がない」(西田昌司参院議員)といった不満が噴出した。

首相は23日の記者会見で参院選の勝敗ラインを問われ、自民、公明両党の与党で非改選議席を含む参院全体(定数248)の過半数125議席の確保を掲げた。非改選議員は自公で75人のため、今回50人以上が当選すれば達成となる。この目標設定に対し、旧安倍派ベテランは「非改選を含めて過半数なんて当たり前だ。改選だけで過半数に達しなければ、首相は責任論を免れない」と指摘し、目標設定が低すぎるとの批判がある。

都議選での首相のスタンスと党内の対照的な動き

参院選の前哨戦とされた都議選で、首相は敗戦時の責任を回避するためか、前面に立つことを避けた。応援演説は選挙戦最終日の2カ所のみに留まった。自民党都連関係者は「首相が応援に来ると浮動票が減るリスクがあった」と都議選での首相の低姿勢を振り返る。政府高官も「都連側から積極的な応援は控えるよう求められた」と明かしている。

対照的に、首相と昨年の党総裁選で競った高市早苗前経済安全保障担当相や林芳正官房長官、茂木敏充前幹事長、小林鷹之元経済安保担当相ら「ポスト石破」をうかがう議員らは、都議選で精力的に応援に入っていた。

参院選が石破首相の進退を左右

衆院選都議選と相次ぐ選挙での厳しい結果を受け、石破茂首相に対する党内の視線は一層厳しくなっている。参院自民ベテランは「衆院選都議選で『石破効果』はなくツーアウト。参院選で結果を残せなければスリーアウト、チェンジだ」と語り、参院選石破首相の進退を左右する重大な局面であることを示唆している。

まとめ

参院選公示を間近に控え、石破茂首相は相次ぐ選挙敗北による党内の不満退陣論という逆風に直面している。自身が掲げた勝敗ラインも批判の対象となり、「選挙の顔」としての期待に応えられていない現状がある。「ポスト石破」候補が活発に動く中、石破首相にとって今回の参院選は、その政治生命をかけた極めて重要な選挙となる。

出典:Yahoo!ニュース