大学受験は日本の多くの10代にとって、将来を左右する可能性のある大きな節目です。いい大学へ進学することが、望む職業に就ける確率を高め、その後の人生の選択肢を広げる側面があるのが現状です。それほどまでに大学受験のインパクトは大きくなっています。そんな時代背景の中、書籍『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』が刊行されました。本書は、きれいごとだけでなく、大学受験やその先の人生について深く考えさせる内容となっています。本記事では、本書の発刊を記念し、著者であるびーやま氏への特別インタビューをお届けします。特に、就職活動における「学歴フィルター」について焦点を当てます。
学歴フィルターは本当に存在するのか？
新卒採用時によく話題となる学歴フィルターについて、びーやま氏は「気持ちはわかるが、仕方のないこと」という見解を示しています。同時に、企業が採用を「学歴だけで判断しているということはほとんどない」とも述べています。
「仕方のないこと」とはどういう意味か？
びーやま氏の説明によると、学歴フィルターとは、企業が正式に「特定の大学以上しか採用しない」と公言するような制度ではありません。むしろ、選考の結果として、特定の学歴を持つ応募者が多く残る「傾向」を指す場合がほとんどです。このような傾向が生まれる最大の理由は、新卒採用活動にかけられる「時間の制約」にあります。
限られた短い期間の中で、非常に多数の応募者の中から採用者を決定するためには、効率的に候補者を絞り込むプロセス、すなわち「足切り」が避けられません。人事担当者も、時間さえあれば学歴に関係なく全ての学生と向き合いたいと考えている可能性は高いと推測されます。
優秀な人材を取り逃がす可能性
しかし、このような学歴フィルターが存在することで、学歴以外の優れた能力や将来性を持つ学生が、選考の早い段階で評価される機会を失ってしまうという現実も存在します。企業側も、学歴に囚われずに選考を行えば出会えたはずの、優れた潜在能力を持つ人材を取り逃がしているケースは多々あるでしょう。
就職活動で学歴について考える学生のイメージ
今後の就職活動はどうなる？
現状の日本における新卒一括採用という特定の期間に集中する採用システムにおいては、応募者を効率的に絞り込む現在の選考方法が、企業にとって最適であると判断されている側面があります。びーやま氏は、今後もし新卒一括採用の慣習が変化し、採用時期の制限が緩和されるなど、システム自体が変わることがあれば、学歴に依存する選考方法も自然と変わっていく可能性があると展望を述べています。
以上のびーやま氏の見解から、新卒採用における学歴フィルターは、企業の効率的な人材探しという現実的な課題から生まれる「傾向」であり、学歴だけで全てが決まるわけではないことがわかります。しかし、これにより失われる機会も存在し、今後の日本の採用システムのあり方が議論を呼ぶことになりそうです。
参考資料：Yahoo!ニュース / ダイヤモンド・オンライン
