「東京でアーティストになりたい」ーー。59歳で香川から”東京移住”を夫婦が決断するまで。夫は”歌手”妻は”画家”の≪第2の人生≫へ


【写真】香川から東京への引っ越しでトラックいっぱいの家財道具を処分した

■30年ぶりの東京で再出発

 6月上旬、東京都江東区。3年前、この地に移住した仲山さん夫婦は、約束の時間ちょうどに現れた。2人はともに服のセンスがよく、一見してアーティスト気質だというのが分かった。

 「香川から東京に来ると言ったら、周りは驚いていました。でも、やりたいことが一致していたんです。僕は歌手、妻は画家。双子の息子も応援してくれました」

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 「2人が東京で一緒に住んでくれたことがありがたかったです。家賃は息子も払ってくれた。弟は、現在は家を出ていますが、彼らがいなければ家賃の高い東京での生活は厳しかったです」

 長野県出身の昌樹さんは手先が器用で、性格は真面目な職人気質。20歳のころに上京してさまざまな職に就いたが、いずれも長続きしなかった。大工、土木、不動産営業、調査会社、駅の売店――、当然収入も安定せずに苦しい生活が続いた。



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