【テヘラン=吉形祐司、ワシントン=阿部真司】イランのファテメ・モハジェラニ政府報道官は26日、読売新聞と会見し、米国のトランプ大統領が表明した来週の協議再開について「交渉は支持する」と前向きな姿勢を示しつつ、応じるかどうかは即答を避けた。
トランプ氏は25日、オランダ・ハーグで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議閉幕後の記者会見で、「核兵器は不要だ」と述べ、イランに核開発を断念させる考えを表明した。対イラン制裁を緩和する可能性も示唆した。
米国との協議再開について、モハジェラニ氏は本紙との会見で「状況とシナリオを分析し、国民と国家の利益に必要な決定をする」と説明した。ただ、「押しつけの条件では受け入れない」とも語った。
最大の争点であるウラン濃縮については、「妥協すれば、次はミサイル保有の断念を求めてくる。抵抗する」と強調し、核開発の断念は拒否する方針を改めて示した。
イランとの協議に関し、米国のスティーブン・ウィトコフ中東担当特使は25日、米CNBCのインタビューで「包括的な和平合意に期待している」と語った。詳細は不明だが、水面下でイラン側と接触を始めていることも明らかにした。
イランの核開発を巡る米国とイランの高官協議はイスラエルによるイランへの攻撃で中断した。米国が仲介した今回の停戦合意を受け、協議が進展するかどうかが注目されている。