【エルサレム=作田総輝】イランのアッバス・アラグチ外相は26日、国営テレビのインタビューで、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長から会談を打診されていることに関して「現時点ではグロッシ氏の訪問は受け入れない」と語った。グロッシ氏が米国とイスラエルによる核施設への攻撃を非難しなかったことを理由に挙げた。
アラグチ氏はインタビューで「核施設への攻撃は核拡散防止条約(NPT)違反だ」と訴えた。その上で、「NPTにとどまるか脱退するかは私たちが検討する問題だ」と強調し、NPT脱退の可能性について改めて言及した。
トランプ米大統領がイランとの協議が来週再開されると述べたことについては、「合意していない」と早期再開は否定しつつ、「我々の利益になるのであれば、協議に戻る可能性がある」とも指摘した。米国による攻撃を受け、核施設に「深刻な被害が出ている」との見解も示した。
一方、米ホワイトハウスのキャロライン・レビット大統領報道官は26日の記者会見で、イランとの協議について「現時点で予定されていない」とし、トランプ氏の発言を軌道修正した。