アメリカの保守団体「ターニング・ポイント・USA」の集会が開催され、同団体の創設者チャーリー・カーク氏の発言が非難されています。
ターニング・ポイント・USAとは、米アリゾナ州フェニックスに拠点を置く政治団体。 主にZ世代の若者たちに、共和党の保守的な考え方を広めるため設立されました。現在は、教育機関を中心に講演を行っています。
同団体は6月13日から15日にかけ、米アリゾナ州テキサスで、サミット 「Young Woman’s Leadership Summit」を開催しました。「Faith, Family, Country」(信条、家族、国家)をスローガンに掲げ、「国内最大規模の保守派女性の集会」と銘打っています。
14歳の女子高生からの質問に対する、カーク氏の返答が批判されています。 参加していた女子高生は「(女性の)大学進学のメリット、デメリットについてどう考えますか」と尋ねました。
するとカーク氏は、「女子高生の皆さんに尋ねましょう。結婚し、子どもを産むことを最優先に考えている人は手を挙げてください」と答えました。
何人かが手を挙げると、「『Mrs.Degree』(ミセス学位)について再度話さなくてはいけないときが来ました」と続けます。
Mrs. Degreeとは、1950年代前後、勉強やキャリアのためではなく結婚相手を探すために大学へ進学したとされる女性たちを揶揄(やゆ)する言葉です。
当時の女性たちにとって、結婚は社会に受け入れられるための唯一の方法でした。家の購入や、口座の開設さえ、女性1人ではできなかったのです。大学進学は、自立心の高い女性たちにとって、重要な手段でした。
Mrs. Degreeという言葉の背景には、女性が高等教育に進む”本来の目的”は”学問以外にある”と主張する意図があります。それは女性の経済的自立を推奨するのではなく、男性のサポート役として家事に徹させ、男性中心主義に閉じ込めてしまうものでした。