夜遅く、嶺東高速道路の江陵方面・陽智トンネル入口に黒い霊きゅう車が1台、突然止まった。車が止まったのは第2車線と第3車線の間だ。後続の車を運転していた人々が「霊きゅう車が高速道路の真ん中に止まっている」と112番に通報した。出動した警察官は、霊きゅう車の運転席で倒れている運転手を発見した。車内のひつぎの中には遺体が1体あった。
京畿南部警察庁などによると、これは6月29日午後11時30分ごろ発生した出来事だとのことだ。
50代の男性運転手Aさんはうつむいたまま助手席側に倒れていた。警察はAさんを路肩に移して心肺蘇生法を試みたが、既に意識がない状態だった。
Aさんは仁川市内のある葬儀場で遺体を載せ、江陵方面に向かっていたことが分かった。
車のドライブレコーダー映像には、Aさんが突然苦しみ出し、路肩の方に車線を変える様子が写っていたという。警察関係者は「霊きゅう車にはAさんだけがいて、外部から衝撃を受けた痕跡はなかった」と語った。
警察では詳しい死因を解明するために解剖を行っているという。
後続車は霊きゅう車を素早く避けたため、二次被害は発生しなかった。霊きゅう車のひつぎの遺体は葬儀場の職員たちが目的地に運んだとのことだ。
竜仁=キム・ヒョンス記者