参院選の全国比例候補公認を取り消された山尾志桜里氏が、突如、無所属で東京選挙区からの出馬を表明した。この動きは永田町に衝撃を与えており、特に国民民主党の玉木雄一郎代表との関係において、様々な憶測を呼んでいる。党関係者からは、公認取消の背景に玉木氏による山尾氏のプライドを傷つけるような出来事があったとの見方が出ており、「玉木氏に一矢報いたい思いもあるのでは」との推測も囁かれている。
参院選公認取消を巡る山尾志桜里氏と国民民主党玉木雄一郎代表
出馬会見で見せた「和やかさ」の背景
7月1日午前に急遽報じられた山尾氏の無所属出馬表明は、永田町を騒然とさせた。知名度があるとはいえ、大混戦が予想される参院選東京選挙区での無所属の戦いは厳しいとの見方が大勢だ。準備不足や、過去の「不倫」問題に関する姿勢への批判も根強く残る。しかし、ある政治部記者は「勝機はゼロではない」とし、「政策通としての山尾氏を評価する有権者や、玉木氏による非情な対応への同情票が集まる可能性も」と分析する。午後4時から開かれた山尾氏の会見は、事前に「プライベートな質問は受け付けない」と告知されたこともあり、前回とは打って変わって和やかな雰囲気で進行した。
無所属での参院選出馬会見に臨む山尾志桜里氏
謙虚な姿勢と「中道政治」への思い
会見中、山尾氏は記者に対し、終始丁寧な言葉遣いを見せた。「狭い場所で大変申し訳ありません」「わざわざお越しいただきありがとうございます」と述べ、「頼り頼られという人間関係の大切さを少し覚えられた。議員時代は出来ていなかった」と謙虚に過去を振り返る場面も。無所属での出馬動機は「左右両極の分断が進む今、中道政治をあきらめたくないから」と強調。国民民主党への「リベンジ」を問われ、「全くありません」「他党候補を非難して勝ち上がるつもりはない」と否定した。
国民民主党関係者が示唆する「確執」
しかし、国民民主党関係者の中には、山尾氏の「本心は分からない」と訝る声もある。「公認取消当初、山尾さんは玉木さんに怒り心頭で、訴訟も辞さない構えだった」といい、党内の事情通からは、玉木氏が過去に山尾氏に対し「かなりひどいこと」を繰り返してきたという話も聞かれる。これらの経緯を踏まえると、山尾氏が玉木氏に対し感情的になるのも無理はない、というのがこの関係者の見方だ。
山尾志桜里氏の参院選東京選挙区からの無所属出馬は、国民民主党との複雑な関係を背景にしていることが示唆される。本人は玉木代表への対抗心を否定しているものの、党内からは過去の経緯に基づく確執の存在が指摘されており、今後の選挙戦と共に、両者の関係性の行方も注目される。
出典: Yahoo!ニュース (デイリー新潮)