最近、中国で行われたオークションで一体のフィギュアが約2200万円という驚異的な価格で落札されたことが、世界のコレクターやトレンドウォッチャーの間で大きな話題となっています。この高額落札は、ある人気キャラクターへの注目度がいかに高まっているかを示しています。そのキャラクターこそ、「ラブブ(Labubu)」です。ポップマートから展開されるこのキャラクターは、今や単なる玩具の枠を超え、世界的な社会現象となりつつあります。この記事では、「ラブブ」の高騰する人気の背景と、日本市場での現状に迫ります。
2200万円フィギュアが示す「ラブブ」の価値
2024年6月10日、中国・北京で開催されたオークションにて、「ラブブ」の等身大フィギュア(高さ131センチメートル)が108万元、当時の日本円レートで約2200万円という破格の価格で落札されました。この驚きの金額は、「ラブブ」が持つ現在の市場価値と人気の高さを如実に物語っています。
「ラブブ」は、香港出身のデザイナー、龍家昇(Kasing Lung)氏によって生み出されたキャラクターです。ウサギのような耳とギザギザの歯が特徴で、北欧の森に住む遊び好きの小さな妖精(エルフ)という設定を持っています。元々はアートトイとして登場しましたが、そのユニークで愛らしいデザインが徐々に注目を集め始めました。
ユニクロとラブブのコラボTシャツ、スウェット(2024年8月中旬販売予定)
BLACKPINKリサが火をつけた人気爆発
「ラブブ」の世界的な人気に火がついた決定的なきっかけの一つが、韓国の人気アイドルグループBLACKPINKのメンバー、リサさんの影響です。リサさんが自身のSNSに「ラブブ」のフィギュアを抱きかかえる写真を投稿したところ、瞬く間にその存在が世界中に拡散されました。トップアーティストであるリサさんの投稿は、特に若い世代や海外のファン層に強烈なインパクトを与え、「ラブブ」の名は一躍、世界中に知れ渡ることとなりました。このセレブリティによる後押しが、現在の爆発的な人気に繋がる大きな要因となったことは間違いありません。
日本でもフィーバー:外国人観光客が殺到する原宿の店舗
世界中で「ラブブ」を展開するポップマートは、イギリス、フランス、アメリカなど各地で店舗を急速に増やしています。そして、日本でも次々と店舗がオープンし、その人気ぶりが顕著に現れています。
特に東京・原宿にあるポップマートの店舗には、連日多くの客が詰めかけています。開店時間の15分前にもかかわらず、店舗前にはすでに長い行列ができており、その列は道路の端で折り返すほどです。注目すべきはその客層で、並んでいる人の多くが外国人観光客です。アメリカから来たという観光客からは、「月曜に朝9時に来たけど売り切れていた。今日で2回目」「アメリカではなかなか手に入らないから、日本なら買えると思って来た」といった声が聞かれました。彼らにとって、日本は人気の「ラブブ」を手に入れるための重要な場所となっているようです。この熱狂的な人気ゆえに、店舗では商品がすぐに売り切れてしまうことも少なくありません。
結論
中国での超高額落札から、日本の店舗に外国人観光客が殺到する光景まで、「ラブブ」の人気はまさに世界的な広がりを見せています。アートトイとしての魅力に加え、BLACKPINKリサさんのような世界的インフルエンサーの影響が加わることで、その勢いは加速しています。単なるキャラクターグッズというよりは、現代のポップカルチャー、特にSNS時代における「トレンド」や「収集」といった社会現象を象徴する存在と言えるでしょう。今後の「ラブブ」の動向は、世界の消費トレンドやキャラクタービジネスの新たな可能性を示すものとして、引き続き注目が集まりそうです。
参考文献:
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