お笑いタレントのゆりやんレトリィバァ氏が、7月1日放送のバラエティ番組『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)に出演し、活動拠点をアメリカに移してからの厳しい現状について率直に語り、話題を呼んでいます。日本でのレギュラー番組も卒業するなど、不退転の覚悟で渡米したとされるゆりやん氏ですが、現在の状況は順調とは言えないようです。
番組内で司会の明石家さんま氏からアメリカでの近況について尋ねられると、ゆりやん氏は苦笑いしながら「アメリカで仕事が……一切なくて」と回答。さんま氏が「(仕事の)メドは立ってるんやろ?」と心配の声をかけるも、「メドは……一切立ってなくて」と述べ、具体的な仕事の予定が全くない現状を明かしました。
アメリカでの厳しい現実と世間の反応
ゆりやん氏は2024年12月にハリウッドへ活動拠点を移しました。渡米の背景には、2019年にアメリカのオーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』に出場し、観客の笑いを誘った経験があります。その勢いを追い風に、「アメリカでも通用するコメディアンになる」「ハリウッドスターになる」という大きな目標を胸に抱いていました。しかし、渡米から約半年が経過した現在、その道のりは険しいようです。
番組では、仕事がないこと以外にも、早い英語が聞き取れないことや、アメリカでマッチングアプリを始めたものの成果が出ていないことなども語られました。こうした厳しい近況に対し、SNS上のX(旧Twitter)では辛辣な声が相次ぎました。「ゆりやんだけにしか出来ないものもない」といった“過大評価”を指摘する意見や、「アメリカに行ったんじゃないのかよ」「ゆりやんなつかしぃ」といった、もはや“過去の人”として扱うようなコメントも見受けられました。
超えるべき厚い壁:渡辺直美との比較
ゆりやん氏には、アメリカでの成功を目指す上で越えなければならない「厚い壁」が存在すると指摘されています。それは、同じく日本で絶大な人気を誇り、先にアメリカへ進出したお笑いタレントの渡辺直美氏の存在です。
渡辺直美氏は2021年4月から活動拠点をアメリカに移し、着実に実績を積み重ねています。2023年には全米7都市でトークライブを成功させ、昨年10月にはニューヨークで自身初のスタンダップライブを開催するなど、精力的に活動しています。さらに、今年4月にはアメリカの大手エージェンシーとマネジメント契約を結び、現在も10本以上のプロジェクトが進行中と報じられています。国内での人気も健在で、先月開催された13年ぶりのコントライブは全6公演が即完売、来年2月には東京ドームでの一夜限りのライブも発表されています。
芸能プロ関係者によると、世界的に見れば市場は広いものの、「果たして渡辺直美さんではなく、ゆりやんさんである必要があるのか」という点で、「類似タレント」との差別化が非常に難しい状況にあるといいます。渡辺直美氏という強力すぎるライバルに勝つのは、相当困難であるとの見方を示しています。
日本テレビ『踊る!さんま御殿!!』出演時のゆりやんレトリィバァ氏。番組でアメリカでの仕事がない現状を語った。
日本国内での競争激化も
アメリカだけでなく、日本国内でのゆりやん氏を取り巻く環境も変化しています。吉本興業の養成所であるNSC時代、ゆりやん氏は紅しょうがの熊元プロレス氏と「イナズマパンティーズ」というコンビを組んでいました。その“元相方”である熊元氏は、『女芸人No.1決定戦 THE W 2023』(日本テレビ系)で優勝して以来、高い人気を得ています。
かつてゆりやん氏は、スタジオの予定調和な雰囲気を崩す「破天荒な女性芸人」として重宝される場面がありましたが、現在はこの「破天荒な女性芸人」という枠を巡って、複数のタレントが競争している状況にあると、前出の芸能プロ関係者は語ります。日本国内でも“席”が減りつつある中で、アメリカでの成功がより一層求められる状況と言えるでしょう。
結論
ゆりやんレトリィバァ氏のアメリカ移住後の道のりは、当初の期待とは異なり、仕事がないなど厳しい現実に直面していることが明らかになりました。語学の壁や新たな環境への適応に加え、先行して成功を収めている渡辺直美氏という強力なライバルとの差別化という大きな課題があります。さらに、日本国内でも新たな才能が台頭し競争が激化する中、彼女が再び勢いを取り戻すためには、乗り越えるべき困難が山積していると言えます。アメリカでの「調子乗っちゃって」というわけには、すぐにはいかないようです。
参考文献
- Yahoo!ニュース / Smart FLASH