大阪万博警備に「スカウター」型HMD導入 テイケイの最新技術

2025年大阪・関西万博の警備でテイケイが導入したヘッドマウントディスプレイ(HMD)が、アニメ『ドラゴンボール』の「スカウター」に似ているとSNSで話題です。片目装着の透過型画面を持ち、アニメのスカウターに似た外見。この技術が警備にどう活かされるのか、テイケイ広報部の大部公彦氏、施設警備事業部の林宇宙氏に聞きました。

警備用HMD(スカウター)の機能

テイケイは万博日本館警備にHMDを導入。配備警備員全員が装着し、片目の前に突き出る画面は透明で視界を遮りません。HMD画面には、指令センターから防犯カメラ映像、警備ロボット映像、VIP写真、文字情報などがリアルタイム表示されます。無線機での音声伝達に比べ、映像により正確な情報共有が実現。最短ルートでの指示など、駆け付け対応の迅速化にも繋がります。ゲームのように目の前の人物を数値化する機能はありません。

大阪万博の警備でスカウターのようなヘッドマウントディスプレイを装着した警備員大阪万博の警備でスカウターのようなヘッドマウントディスプレイを装着した警備員

筆者も装着体験しましたが、カメラ映像はリアルタイムでカラー表示され状況把握に十分。装置自体はスマホ程度の重さ。黒いブラインドを引き出せば、屋外の明るい場所でも映像が見やすい工夫もされていました。

開発における苦労と技術連携

HMDは胸に装着するウェアラブルカメラと連動します。カメラ映像をHMDに表示するほか、撮影した映像を指令センターに送る機能も備えています。警備員が柱に隠れつつカメラだけを手で外側に出し、HMDで状況を確認するなど、多様な状況での活用を想定しています。国内での警備用HMD導入はテイケイが初ですが、東京マラソンでのセコムによるウェアラブルカメラ活用など、他社も大規模イベントで類似技術を導入した例はあります。技術的な詳細や1台当たりのコストは非公開です。

大阪万博警備で導入された「スカウター」型HMD装置の外観大阪万博警備で導入された「スカウター」型HMD装置の外観

開発で特に苦労したのは、警備員が頭部に被る帽子やヘルメット(3種類)への適合性でした。素材や硬さが異なる装備品にしっかりフィットするよう、アタッチメントの開発に試行錯誤を重ねたといいます。

テイケイの導入したHMD「警備用スカウター」は、リアルタイム映像などを活用し、警備現場の情報共有を正確かつ迅速にします。大規模イベントのセキュリティ高度化に向けた先進的な取り組みとして、今後の広がりに期待がかかります。セキュリティ技術の発展に繋がる可能性も秘めています。

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