2025年7月、X(旧Twitter)で「キルフェボンの株主優待が神すぎる」という投稿が拡散され、大きな注目を集めました。しかしその後、「キルフェボンは非上場企業で株主優待はない。これはソフィアホールディングスという全く別の会社のものだ」とコミュニティノートで訂正されました。この記事では、この「キルフェボン株主優待」の誤解を解き明かし、他社製品を株主優待とする企業の戦略について解説します。
SNSで話題になった「キルフェボン株主優待」に関する誤情報を象徴する、人気フルーツタルトのイメージ
「キルフェボン株主優待」の真実:非上場とソフィアHDの誤解
SNSで広まった「キルフェボンの株主優待は神」という投稿は、100株保有で半年ごとに3000円分のギフトカードが届くという内容で、瞬く間に大きな反響を呼びました。しかし、間もなくXのコミュニティノートにより、「キルフェボンは非上場企業であり、株主優待は存在しない。この優待を提供しているのは、株式会社ソフィアホールディングスである」と訂正されました。
実際に優待を提供するソフィアホールディングスは、医療・インターネット・通信事業を手掛ける企業です。同社は株主優待制度導入の際、「キルフェボン株式会社様、その他協力企業様のお力添えをいただけることとなり、本目的に資する株主優待制度を導入した」と明言しています。
つまり、投資家はソフィアホールディングスの株を購入することで、同社の優待品としてキルフェボンのギフトカードを受け取れるのであり、キルフェボンそのものの株主にはなれません。
他社製品が優待となる企業戦略とその合法性
「なぜソフィアホールディングスは他社のキルフェボン製品を優待にできるのか」という疑問は当然です。株主優待は一般的に自社製品やサービスが主流ですが、日本の法制度上、企業が株主優待に提供する商品に制限はほとんどありません。自社製品に限らず、外部企業と提携し、その商品やサービスを優待として提供することは合法的に可能です。
この戦略には明確な意図があります。人気ブランドの商品を優待に採用することで、投資家の注目度を高め、新規投資家を呼び込む効果が期待できます。ソフィアホールディングスの事例は、キルフェボンの高い知名度とブランド力を活用し、自社株の魅力を高め、株主還元と企業価値向上を同時に目指す賢明な企業戦略と言えるでしょう。これは、企業イメージ向上にも繋がり得る有効な手段です。
結論:SNS情報の確認と賢明な投資判断の重要性
SNSで話題となった「キルフェボン株主優待」は、実際には非上場であるキルフェボンではなく、ソフィアホールディングスが提供する優待であることが判明しました。他社製品の優待採用は合法であり、企業戦略として投資家を惹きつける有効な手段です。本件は、SNS上の情報に安易に飛びつかず、投資判断の前に必ず情報の真偽を確認することの重要性を示しています。正確な情報に基づいた賢明な判断が求められます。
参照元
- SNSで「キルフェボンの株主優待が神すぎる」と話題→実は同社は「非上場」で株の購入は不可!? 他の会社が“株主優待”としてるらしいけど、問題ないの? 企業の戦略を解説 (Yahoo!ニュース / Financial Field)