2024年8月19日に放映が開始されたマクドナルドの新TVCM「チーチーダブチ/てりやき『LUNA CHEE』篇」が、大きな話題を呼んでいます。ロックバンド「LUNA SEA」公認のコピーバンド「LUNA CHEE」が登場し、本家さながらのヴィジュアル系ロックパフォーマンスを披露。このLUNA SEAの寛大な対応とは対照的に、同時期にX JAPANのリーダーYOSHIKIが人気アニメを巡る著作権問題で物議を醸し、両者の「ロックな対応」の違いが注目されています。
マクドナルド新CM、LUNA SEA「LUNA CHEE」で大反響
マクドナルドの新CMは、LUNA SEAの代表曲「ROSIER」の替え歌に乗せて展開され、SNS上では「LUNA SEA マクドナルド CM」というキーワードで瞬く間に拡散されました。CMには、俳優の加藤清史郎がボーカルを務める「LUNA CHEE」が登場。LUNA SEAのベーシストJ(55)やギタリストINORAN(54)もX(旧Twitter)で反応を示し、公式にCMを「公認」していることが明らかになりました。
歌唱はモノマネ芸人のたむたむ(40)が担当し、7月のレコーディングではLUNA SEAのボーカルRYUICHI(河村隆一、55)が歌唱監修として直接アドバイスを送るなど、その完成度にはLUNA SEAメンバーが深く関与しています。この徹底したコラボレーションと再現度の高さに、SNSでは「全ての再現度が高くて、最高です」「私が中学生の時リアルタイムのTVで観たルナシーだ」といった絶賛の声が相次ぎました。LUNA SEAが自らの楽曲のパロディを公認し、積極的に参加した姿勢は、多くのファンに喜びと驚きをもって受け止められています。
YOSHIKIを巡る人気アニメ「ダンダダン」著作権騒動の経緯
一方、同時期にロック界で注目を集めたのが、X JAPANのYOSHIKI(年齢非公表)が人気アニメ『ダンダダン』(MBS/TBS系)に登場する劇中歌を巡って起こした一連の言動です。8月7日深夜に放送された同アニメに登場するバンド「HAYASii」が披露したメタル調の楽曲「Hunting Soul」が、X JAPANの代表曲「紅」に酷似していると指摘され、YOSHIKI自身も8日にXで「何これ、 XJAPANに聞こえない?」と投稿しました。
X JAPANのリーダーYOSHIKI。著作権問題が注目される中で
YOSHIKIは「この件について何も知らなかった」と困惑する心境を連投し、「弁護士達からも連絡がきた」「著作権侵害の可能性がある」と、権利許諾の有無を問題視する姿勢を見せました。しかし、その後「Hunting Soul」の演奏に参加したギタリストのマーティ・フリードマン(62)がXで「Yes, my band and I did it out of love and respect for X Japan!(はい、私のバンドと私はX JAPANへの愛と尊敬を込めて演奏しました!)」と投稿すると、YOSHIKIは一転して「また一緒にセッションしましょう!」とリプライ。さらに「今気づいた!これって俺の林かな?笑 ”TV Anime “DAN DA DAN“ HAYASii” アニメ見たくなってきた」と好意的な反応に転じ、騒動は収束に向かいました。
「ロックな対応」の明暗:LUNA SEAとYOSHIKIの対比
LUNA SEAとYOSHIKI、この二つのカリスマ的ヴィジュアル系ロックバンドのリーダーが同時期に直面した状況は、それぞれの「ロックな対応」の明暗を浮き彫りにしました。LUNA SEAがマクドナルドCMにおいて、自らの楽曲のパロディを大々的に公認し、むしろ積極的にプロモーションに協力したことは、彼らの音楽が幅広い層に受け入れられ、楽しんでもれていることの証です。この柔軟でユーモアあふれる姿勢は、多くのファンに「最高にロック」だと賞賛されました。
一方で、YOSHIKIの初期の反応は、著作権という法的な側面から強く抗議するものでした。もちろん、アーティストが自身の著作権を守ることは極めて重要です。しかし、一部のネットユーザーからは「LUNA SEAとYOSHIKIの差よ」「YOSHIKIがいつまでもダンダダンにぐちぐち言ってるところに、LUNA SEAがマックにパロディOK出してんの最高にロックすぎて笑った」といった声が上がり、LUNA SEAの寛容さと対比して「格の違いを見せつけている」という意見も見受けられました。
LUNA SEAはパロディをロックの「遊び心」として受け入れ、新たな価値を創造する機会と捉えました。対してYOSHIKIは、当初は「権利」を前面に出しつつも、最終的には「愛とリスペクト」というクリエイティブな精神を評価する姿勢に転換しました。この二つの異なる対応は、ロックバンドが現代社会において、いかに多様な形で自身のアイデンティティと向き合い、ファンや社会とコミュニケーションを取るべきかという問いを投げかけていると言えるでしょう。
結論
今回のマクドナルドCMにおけるLUNA SEAの対応と、YOSHIKIを巡るアニメ著作権騒動は、日本のロックシーンにおける二つの巨頭が、異なる形で「ロック」を体現した象徴的な出来事となりました。LUNA SEAのユーモアと寛容さは、その音楽が世代を超えて愛され続ける理由の一つを示し、新たなファン層の獲得にも寄与する可能性を秘めています。一方、YOSHIKIのケースは、権利保護の重要性と同時に、クリエイティブな表現に対するリスペクトという、アーティスト間の複雑な関係性を浮き彫りにしました。いずれの対応も、それぞれのバンドが築き上げてきた歴史と哲学に基づくものであり、日本のロックシーンの奥深さを再認識させる出来事だったと言えるでしょう。
参考資料
- 女性自身 (2024年8月20日). 「LUNA SEAがマックCMで“快挙”の一方YOSHIKIは「ダンダダン」騒動…『ロックの格差』に注目集まる」. Yahoo!ニュース.
- LUNA SEA Official Xアカウント (複数投稿、2024年8月).
- YOSHIKI Official Xアカウント (複数投稿、2024年8月).
- Marty Friedman Official Xアカウント (複数投稿、2024年8月).
- マクドナルド公式ウェブサイト CM情報.