参政党・神谷氏「高齢女性は産めない」発言 波紋─ひろゆき氏がデータで反論「日本人減らしたい?」

実業家のひろゆき氏こと西村博之氏が2025年7月3日、参政党の神谷宗幣代表による「高齢の女性は子どもが産めない」との発言に対し、自身のX(旧ツイッター)で「日本人を減らしたい人達が高齢出産に反対してるんですかね?」などと批判を展開した。日本の少子化対策を巡る議論が深まる中で、特定の世代への言及が波紋を呼んでいる。

神谷氏の発言とその真意

参政党の神谷代表は、参院選(6月20日公示、7月7日投開票)公示日の7月3日、東京・銀座で行った第一声の街頭演説で少子化対策について持論を述べた。その中で神谷氏は、「もちろん女性の社会進出はいいことです。どんどん働いてもらえば結構。けれども、子供を産めるのも若い女性しかいないわけですよ。これ言うと差別だという人がいますけど、違います。現実です」と発言した。

参院選に向けた街頭演説を行う参政党の神谷宗幣代表参院選に向けた街頭演説を行う参政党の神谷宗幣代表

神谷代表はさらに、「男性や、申し訳ないけど高齢の女性は子どもは産めない。だから日本の人口を維持していこうと思ったら、若い女性に『子どもを産みたいな』とか『子ども産んだ方が安心して暮らせるな』という社会状況を作らないといけないのに、『働け、働け』とやりすぎちゃったわけですよ」と主張し、現在の社会が若い女性にとって子育てしやすい環境になっていないと指摘した。演説後の取材で、どの世代を高齢女性と想定しているかとの質問に対しては、「それはもう生物学的なものですよ。今少しずつ医療も発達してきてて、40代(での出産をする女性)はいます。でも、60代とか70代とか、さすがに難しいじゃないですか」と説明を加えた。

ひろゆき氏の反論とデータに基づく指摘

この神谷氏の発言を報じた毎日新聞の記事を引用する形で、ひろゆき氏は3日、Xに投稿。「『高齢の女性は子ども産めない』という意見を支持する有権者が国会議員を選出する人数くらい居るという事実」と指摘し、一定数の支持層が存在することを示唆した。

さらにひろゆき氏は、その後の投稿で神谷氏の発言への具体的な反論を展開した。2023年の日本の平均初産年齢が31.0歳であることを挙げ、「初産婦で35歳以上の出産を高齢出産と言います」と一般的に用いられる定義を説明。その上で、「3割の子どもが高齢出産で生まれます」と述べ、高齢出産が日本全体の出生数において無視できない割合を占めている現状を示した。ひろゆき氏は、このデータに基づき「日本で高齢出産を無くすと、日本人の子どもはもっと減ります。日本人を減らしたい人達が高齢出産に反対してるんですかね」と疑問を投げかけ、神谷氏の発言が高齢出産を否定的に捉え、結果的に少子化を加速させる可能性を批判的に示唆した。

公的データと高齢出産の現状

厚生労働省が発表した2023年の人口動態統計によれば、第1子出生時の母の平均年齢は31.0歳となっている。また、35歳以上の母親からの出生が全体の約3割を占めていることも、同省のデータで確認できる。国立成育医療研究センターの公式サイトでも、「高齢出産の明確な定義はありませんが、一般的には35歳以上での出産を『高齢出産』と呼びます」とされており、ひろゆき氏が言及したデータや定義は広く認識されているものに基づいている。これらの公的データは、日本の出生数における高齢出産の現状を示す重要な根拠となっている。

まとめ

参政党の神谷宗幣代表が街頭演説で「高齢の女性は子どもが産めない」と発言したことに対し、実業家のひろゆき氏がデータを用いて反論し、波紋を広げている。神谷氏は発言が生物学的な現実に根ざすと説明したが、ひろゆき氏は高齢出産が日本全体の出生数の約3割を占めている現状を指摘し、その否定が少子化を助長するのではないかと問題提起した。このやり取りは、日本の少子化対策や女性のライフコースに関する議論に、改めて一石を投じる形となった。

[Source link] (https://news.yahoo.co.jp/articles/202eeb61666c2c110476c2a35d17c243580c7ad5)