パレスチナ自治区ガザ地区の停戦交渉を巡り、イスラエル政府は6日、交渉団を仲介国カタールへ派遣した。イスラエルメディアによると、イスラム組織ハマスと間接交渉を行う方針。一方、ネタニヤフ首相は声明で、ハマスが求める停戦案の修正について「受け入れられない」と述べ、応じない姿勢を示した。
トランプ米政権が示した停戦案は、60日間の停戦期間中にハマスがガザ地区で拘束している人質10人を解放し、死亡した18人の遺体を返還することなどが柱。5段階に分けて実施するとしている。ハマスは4日、「前向きな回答」を仲介国に提示。停戦期間中に戦闘終結で合意しなかった場合でも、交渉が継続されるよう米国に保証を求めている。ネタニヤフ氏は7日、ホワイトハウスでトランプ大統領と会談する予定。
米ニュースサイト「アクシオス」によると、ハマスは人道支援物資の配給について、イスラエルなどが主導する「ガザ人道財団」ではなく、国連による実施を要求している。また、今年3月に前回の停戦合意が崩れた時点まで、イスラエル軍がガザ地区から撤退することも求めているという。イスラエル側はこれらの要求を拒否しており、駆け引きが続いている。
停戦協議が続く一方、イスラエルは5日もガザ地区への攻撃を続けた。ガザ保健当局は、過去24時間で70人が死亡したと発表。2023年10月の戦闘開始以降、ガザ側の死者は5万7338人に上っている。【エルサレム松岡大地】