米ディズニークルーズライン(DCL)が運航するクルーズ船「ディズニー・ドリーム号」で、6月29日、5歳女児の海上転落事故が発生しました。海に落ちた女児を救うため、父親がすぐさま海中へ飛び込むという決断を下し、その後無事に救出された瞬間を捉えた映像がSNS上で広く拡散され、注目を集めています。
事故発生と「Mr. M.O.B.」のアナウンス
事故は、中米バハマから米フロリダ州へ向かう航行中に発生しました。乗客の証言によると、船の4階デッキから少女が海へ落下した直後、船内に「Mr. M.O.B.(マン・オーバーボード、人が海に落ちたことを示す略語)」という緊迫したアナウンスが響き渡ったといいます。このアナウンスに続くように、少女の父親が迷わず海中に飛び込んだとのことです。
事故が発生した米ディズニークルーズラインの大型クルーズ船「ディズニー・ドリーム号」。
決死の救出劇、SNSで拡散された瞬間
SNS上で拡散されている映像には、船から降ろされた救助艇が素早く親子のもとへ急行し、二人を海から安全に引き上げる緊迫した様子が映し出されています。親子が救助艇に乗り込み無事を確認できた瞬間、船上からは安堵と称賛の入り混じった大きな拍手と歓声が沸き起こりました。複数の報道によると、親子は海中で少なくとも20分間浮いていたとされています。
SNS上の反響:「父親はヒーロー」「乗員を称賛」
この劇的な救出劇に対し、SNS上では感動と称賛の声が多数寄せられています。「娘を追って自身の危険を顧みず海に飛び込み、長時間支え続けた父親は真のヒーローだ」「彼は多くの人ができないことを成し遂げた」といった父親の勇気ある行動を称えるコメントが相次いでいます。また、「迅速かつ的確な救助活動を行ったディズニーの船員たちも素晴らしい」「彼らを誇りに思う」と、プロフェッショナルな対応を見せたクルーズ船乗員への感謝と称賛の声も多く見られます。
DCL公式発表と当局の調査
ディズニークルーズライン(DCL)の広報担当者はUSA TODAYに対し、事故が発生した事実を認めました。担当者は、事故発生時の「乗員の卓越したスキルと迅速な行動を称賛する」と述べ、ゲストの安全と健康を最優先に考える同社の姿勢を強調しました。今回の事故は、同社の安全プロトコルの有効性を浮き彫りにするものだったと発表しています。同紙の報道によると、事故が発生したデッキにはプレキシガラス製の安全バリアが設置されていたとされており、現在、当局が少女が転落した詳しい経緯について調査を進めています。
今回の事故は、クルーズ船という非日常的な空間で予期せず発生した悲劇でありながら、父親の深い愛情と勇気、そして乗員の迅速かつ的確な対応によって、最悪の事態が回避された事例と言えます。現在も転落の原因は当局によって調査中であり、同様の事故防止に向けた安全対策の徹底が改めて重要視されるでしょう。
参照: BuzzFeed Japan (Yahoo!ニュースより)