トランプ大統領、マスク氏の新党設立構想を「ばかばかしい」と批判

トランプ米大統領は〇日、実業家イーロン・マスク氏による新党「アメリカ党」の設立表明について、「ばかばかしい。混乱を助長するだけだ」と強く批判した。東部ニュージャージー州の空港で記者団に語ったもの。米国における二大政党制の歴史を踏まえ、第三極の活動には懐疑的な見方を示した。

マスク氏の新党設立構想について語るトランプ大統領(左)、米ニュージャージー州の空港にてマスク氏の新党設立構想について語るトランプ大統領(左)、米ニュージャージー州の空港にて

米国の二大政党制と第三極の限界

トランプ大統領は、米国では長らく共和党と民主党による二大政党制が深く浸透しており、「第三極が機能した試しはない」と述べ、新党が成功する可能性を否定的な見方で一蹴した。これは、過去の多くの第三政党が全国的な勢力を持つに至らなかった歴史的経緯に基づいたものと考えられる。

マスク氏の政治的野心に対する冷ややかな反応

世界有数の大富豪であり、テスラやスペースXといった革新的な企業を率いる資金力を持つマスク氏が、来年の中間選挙での候補者擁立や議席獲得を目指すことについて、トランプ氏は「楽しめばいい」と突き放すように述べた。また、交流サイト(SNS)には「マスク氏が道を踏み外していくのを見るのは残念だ」と投稿し、改めて失望感を表明した。

財務長官が見るマスク氏の人気と事業への影響

ベセント財務長官(当時)は〇日、CNNテレビの番組に出演し、マスク氏が一時率いた政府効率化省が国民の人気が高かったことを認めつつも、それはマスク氏個人の人気ではなく、その役割の人気であったと強調した。さらにベセント氏は、マスク氏が経営する電気自動車(EV)大手テスラや宇宙企業スペースXの役員らが新党設立を「好ましく思っていない」と推測。新党への政治活動ではなく、本業である事業への専念を促すだろうとの見方を示した。

まとめ

一連の発言は、有力実業家であるイーロン・マスク氏の新たな政治的動きに対し、米国の主要な政治家や経済界から、その実現性や影響を巡る否定的な見方が広がっている現状を示唆している。トランプ大統領を含む要人からの批判は、マスク氏が直面するであろう政治参入への逆風の強さを示していると言える。

出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/d1212284a1ebdfe77311ff28608d93cc47c1bc16