「失恋事案ではない」X子さんが激白 中居正広とフジテレビの検証番組の深層

7月6日午前10時、中居正広氏とフジテレビを巡る問題の検証番組が放送された。昨年12月末に「週刊文春」がこの問題を報じてから半年以上が経過しての、異例とも言える検証である。なぜこの時期に検証番組が放送されることになったのか、その背景には何があるのか。「週刊文春」の報道を基に、改めてこの問題を掘り下げる。

中居正広氏の写真。フジテレビとの検証番組について報じられている中居正広氏の写真。フジテレビとの検証番組について報じられている

検証番組放送の背景

昨年から報じられてきた中居正広氏と元フジテレビアナウンサーX子さんの間での性的トラブル疑惑は、様々な波紋を広げてきた。今回フジテレビで検証番組が組まれたのは、問題提起から一定期間が経過し、改めて事実関係や影響を検証する必要があると判断されたためと見られる。しかし、このタイミングでの放送には、メディアや関係者の間で様々な憶測を呼んでいる。

X子さんが明かした「苦しい胸の内」

問題が報じられて以降、特に橋下徹氏の「失恋事案」発言が一人歩きしたことで、X子さんに対する誹謗中傷や脅迫が続いているという。「父親と同世代の方に恋愛感情など最初から1ミリもない」と、X子さんはごく親しい知人に対し、その苦しい胸の内を明かしていたことが取材で判明している。彼女は、これ以上の二次加害が続くことへの強い危機感を抱いている。

中居正広氏と元フジテレビアナウンサーの性的トラブルがあったとされる「スイートルームの会」の部屋中居正広氏と元フジテレビアナウンサーの性的トラブルがあったとされる「スイートルームの会」の部屋

橋下氏発言が引き起こした波紋

橋下氏は5月14日放送の番組内で、当該のトラブルについて「その当日の状況を見てもらえれば、こういうふうに性暴力だとか、少なくともこれだけ社会的制裁を受けるような話ではないと感じる人も僕はすごい増えると思いますよ」と発言した。この発言の真意を「週刊文春」が尋ねたところ、橋下氏は詳細な回答を寄せ、後に自身のSNSでも全文を公開。その中で、「相手方女性から意に反したとの主張があっただけで、第三者委員会が中居氏のトラブルを直ちに性暴力と評価することは大変危険」と主張し、これを安易に認めれば「いわゆる失恋事案においても、後に意に反していたと相手方女性から主張されただけで社会的抹殺にも等しい最も厳しい制裁が加えられることにもなりかねない」と懸念を示した。

ネット上の「失恋事案」論と本人の苦悩

橋下氏が使用した「失恋事案」という言葉がネット上で急速に拡散し、X子さんに対する新たな批判の論調を生んだ。「X子さんは失恋の末に中居氏を貶めた」「婚活に失敗した腹いせだ」といった根拠のない憶測が多数見られるようになったのである。橋下氏が回答全文を公開した翌日、こうしたネット上の激しい批判を目にしたX子さんは、前述の知人に改めて心情を吐露していたという。

X子さんの「怒髪天の肉声」

「週刊文春 電子版」は、中居氏との間に「失恋」など存在しないとするX子さんの強い憤り、いわば「怒髪天の肉声」とも言える証言について詳しく報じている。彼女は、事実とは異なる「失恋事案」というレッテルを貼られ、不当な二次加害に晒されている現状に対し、強い怒りを感じている。

今回のフジテレビによる検証番組は、この問題に対する社会的な関心を再び高める可能性がある一方、ネット上でのさらなる議論や、X子さんに対する影響についても注視が必要である。橋下氏の発言をきっかけに広がった「失恋事案」という誤った認識が、X子さんの苦悩を一層深めている現状が浮き彫りになっている。

[Source link]: 週刊文春 2025年6月12日号(初出)