中国吉林省の延辺朝鮮族自治州で野生の白頭山トラが道路をうろつく様子が目撃され、中国のSNS(交流サイト)で話題になっている。
紅星新聞など中国メディアによると、今月2日午後4時頃、吉林省の国道331号線で白頭山トラが目撃された。目撃者が公開した動画をみると、このトラは車やオートバイが通行する道路を堂々と横切り、その後しばらく道路に沿って歩いていたが、近くの山の中に消えていった。トラはやや痩せた様子だった。
この地域でトラが目撃されるのは今回が初めてではない。昨年春には放牧中の牛20頭以上がトラに襲われ一部が死に一部が負傷した。目撃者は「琿春市内の自宅に向かっていた時に目撃した。トラは人間を恐れない様子だった」「体格は小さく痩せていたが、村の住民が記憶するあのトラのようだ。獲物を狩るのが下手で人間が住むところまで降りてきたようだ」と伝えた。
地元の山林当局は「この道路周辺には白頭山トラやヒョウを保護する国立公園があるため、春と夏の季節には野生のトラがよく目撃される」「もし車で通行中にトラに出くわしたら、絶対に車から下りず安全な距離を維持しながらゆっくり走行してほしい」と呼びかけた。
白頭山トラはシベリアトラとも呼ばれ、中国東部や白頭山などに生息している。中国は2021年10月に黒竜江省と吉林省一帯の1万4100平方キロメートルを野生の白頭山トラ・ヒョウ国家公園に指定し、保護活動に乗り出している。その後は周辺の生態系が復活し、野生の白頭山トラの個体数は昨年の時点で50頭以上に達したことが分かっている。
チェ・ヘスン記者