202X年8月13日、俳優・岸谷五朗とシンガーソングライター・岸谷香の長男で実業家として知られる岸谷蘭丸氏が、立憲民主党の米山隆一衆院議員からの“親の七光り”に関する批判に対し、SNS上で激しく反論し、大きな物議を醸しています。この一連のやり取りは、芸能界の「2世タレント」や「2世実業家」に対する社会の視線、そして個人の努力と背景との関係性について、改めて深い議論を呼んでいます。
俳優・岸谷五朗とシンガーソングライター・岸谷香夫妻。息子の蘭丸氏が政治家との論争で注目。
米山議員のSNS投稿と岸谷蘭丸氏の反論
事の発端は、米山隆一氏が自身のX(旧Twitter)アカウントで、同党の中谷一馬氏と岸谷蘭丸氏によるYouTube対談の告知を引用し、「親の七光りと特異な経歴で注目を浴び、それを自分の実力と勘違いして、知らない政治について大上段で放言したら時流に合って受けました」(現在は削除済み)と批判的な投稿を行ったことです。これに対し、岸谷蘭丸氏はすぐさま自身のXで応戦。「僕のことを親の七光りだとか勘違いだとかで切り捨てるのは良いんですけど、結局そういう所が支持を伸ばせない原因じゃないですかね? まあ一生団塊世代とイチャイチャして紙の保険証頑張って守ってください」と、現職の国会議員に対して挑発的な言葉で反論しました。この一連のやり取りは瞬く間に拡散され、その反発的な態度が、過去に同様の批判に直面した他の芸能2世を想起させるとして、様々な憶測を呼びました。
“親の七光り”への複雑な胸中と改名の理由
翌8月14日、岸谷蘭丸氏は再び自身のXを更新。「親の七光り、って何なんですかね?」と自問自答する形で、自身の複雑な胸中を明かしました。彼は「僕は別に俳優や歌手をやってるわけでもなく、極力親と被らない教育事業や社会系で頑張ってるつもりなんですよね」と述べ、自身の努力が両親の職業とは異なる分野にあることを強調。さらに、「極論、全ての能力は親に与えられた教育環境の賜物だし、何をしたら七光りじゃなくなるんだろうか? 会社が上場でもすればいいんだろうか? 苦しいです」と、自身の出自と努力の間で感じる葛藤を率直に吐露しました。
実業家として活動する岸谷蘭丸氏の近影。親の七光り批判に反論。
岸谷蘭丸氏が公の場で自身の出自を明かしたのは、昨年12月に「ABEMA Prime」へ初出演した際のことです。この時、彼はこれまで使用していた「柚木蘭丸」という名前から本名である「岸谷蘭丸」への改名を発表し、両親が著名な芸能人であることも初めて公表しました。彼自身は、以前は「芸能2世という目で見てほしくなかった」「蘭丸という一人の人間として僕を見てほしかった」という思いから出自を隠していたと説明。しかし、自身が手掛ける海外大学受験塾「MMBH」や留学プラットフォーム「留パス」といった事業の拡大、そして「社会を変えたい」という強い思いから、メディアを通じて自身の背景を明かす決断に至ったと述べています。
まとめ
岸谷蘭丸氏と米山隆一衆院議員の間で勃発した今回の論争は、「親の七光り」という言葉が持つ重み、そしてそれが個人の努力や実績とどのように評価されるべきかという、現代社会における根深い問いを浮き彫りにしました。岸谷氏は、親の知名度を利用しているという批判に対し、自身の事業に対する真摯な姿勢と、出自に起因する葛藤を率直に示しました。この一件は、単なる芸能ゴシップに留まらず、社会的な背景を持つ個人のアイデンティティと、それに対する世間の評価のあり方について、改めて考えさせるきっかけとなっています。