音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」の元ボーカルでアーティストのコムアイ(32)が、2025年7月9日までに自身のインスタグラムのストーリーで、参院選で存在感を増す参政党について私見を述べた。冒頭、《参政党否定ばっかりしてきたけどさ》と切り出しつつも、意外にも参政党の支持層と近い「好み」を持っていることを明かした。
コムアイは、その理由として《ワクチンなるべく打ちたくないし(子どもの頃からずっと嫌い) オーガニック志向だし 抗生物質も五年に一度くらいしか飲まないし(腸内環境を維持するため)国内ではないけど自然出産だし 日本の伝統文化に誇り持ってるし習ってるし》と具体的に説明した。参政党は、選挙公約で有機・自然栽培の促進、ワクチンの効果と副反応の検証を明記しており、所属議員の吉川りな氏も自然な出産の選択を尊重する姿勢を示している。ペルーでの自然出産経験を持つコムアイは、これらの点に《わかるよ?わかるけどさ!》と共感を示す部分があるとした。
しかし、コムアイは一転して、参政党の核となる主張には強い異論を唱えた。《でも私にとって、たとえば野菜は在来種食べたいことと 日本人ファーストって言えちゃうことは全然話が違う》《外国人やLGBTQを条件付きで受け入れようとする姿勢も差別的で無理! 新憲法内容も無理なもの多すぎて吐きそうで省略するけど》と、決定的な相違点を挙げ、「無理!」だと断じた。
参政党代表の神谷宗幣氏が最重要政策として挙げる「減税」よりも、多くの支持者が関心を持つのは、同党の掲げる「日本人ファースト」だ。これには積極的な外国人受け入れの見直しや、外国資本流入阻止といった「反グローバリズム」の思想が含まれる。吉川りな氏も、LGBT理解増進法可決の背景に「グローバリズムという名の“全体主義”」が潜むと見解を述べている。また、コムアイが「無理」とした新憲法は、党員と共に2年がかりで作成され、今年5月に公表された『参政党が創る新日本憲法(構想案)』を指すと思われる。特に、第二章の「第四条 国は主権を有し(略)」の記述は、SNSで一部に反発を招き、神谷氏は「国家の主権を守らないと国民主権は成立しない」と反論している。コムアイの反発点は、これらの参政党の根幹に関わる部分だ。
参政党代表の神谷宗幣氏。日本人ファーストや新憲法構想案について発言。
コムアイは、自身の内面に気づきがあったとし、《政治思想は趣味志向と別で育ててきたものなのかも?と気づく、同じと思ってきたんだけどな?》と綴る。さらに、《でも私の周りではこの政治思想と趣味志向の組み合わせの人 結構いると思ってて 自分でねじれに思うのも変なことだし リベラル側がいろんな人たちを取り込んで来れなかったことを考えないと長期目線では否定ばっかじゃ進めないというか面白くないなと思う 新党じゃないと無理?》と、複雑な思いや日本の政治状況への問いを投げかけた。そして、最後に《でもとりあえず批判大事!》と締めくくっている。
コムアイの今回の発言は、個人の趣味嗜好が必ずしも政治思想と一致しないこと、そして、多様な立場からの建設的な「批判」が政治議論には不可欠であることを示唆している。
参照元: https://news.yahoo.co.jp/articles/6b836348a1681ac70aeb35c5d6adeabf6579ff4e