新卒から18年半、テレビ朝日のアナウンサーとして活躍した大木優紀さん。40代でスタートアップ企業「令和トラベル」へ転身し、現在は旅行アプリ『NEWT』の広報として多忙な日々を送る傍ら、2児の母として子育てにも奔走しています。本稿では、アナウンサーを経て新しいキャリアを歩む大木さんが、自身の経験から語る夫婦関係の「モヤモヤ」に焦点を当てます。子育てを共に担う夫との良好な関係の中に生じた、ある言葉への違和感とその背景を探ります。
理想的なパートナーシップ、それでも生じる「モヤモヤ」
大木さん曰く、夫婦関係は非常に良好で、子育てについても深く協力し合っているといいます。夫は家事や育児に積極的で、子どもの学校生活にも関心を持ち、親同士の交流も大切にしています。「手伝う」を超え、まさに「力を合わせて子育てをしている」感覚が強いとのこと。教育面では、勉強は妻、スポーツや課外活動は夫が担当するなど、得意分野を活かしバランスを取っています。子育てにおいて、夫は心強い存在だと感じています。
夫の「もういつ死んでもいい」発言に感じた違和感
そんな良好な関係の中、先日、大木さんは夫に対して久しぶりに「モヤモヤ」を感じる出来事があったそうです。ある夜、子どもたちが寝静まった後、夫婦で過ごす静かな時間でのこと。夫がふと、「俺、やりたいこともできたし、もういつ死んでもいいや」と、どこか満足げな表情で口にしたといいます。
家族でのクルーズ旅行、豊かな人生の一コマ
この夫の言葉を聞いた瞬間、大木さんの中に「モヤモヤ」が生じたといいます。「ここまで仕事も頑張り、様々な経験を積めた。幸せな家庭も築けたし、もう満足だ。だから、いつ死んでもいい」という夫の言い分は、一見すると人生の充足を表す言葉です。しかし、大木さんはこの「なんということない言葉」に納得がいかなかったといいます。
大木さんの周囲でも、40代や50代の男性がキャリアの一区切りを迎え、人生を振り返って満足感を覚え、「これからは若い後輩を応援する側になりたい」と語る、いわゆる「自己満足トーク」はよく聞かれるパターンです。夫が50代であることを踏まえれば、自然な発想かもしれない。それでも、「もう死んでもいい」という言葉には、まだ「やり切らなければいけないことがあるのではないか」という思いから、納得できなかったと語っています。
良好な夫婦関係を築いている中でも、ふとした言葉や人生観の違いから生じる小さな「モヤモヤ」。これは、特に共働きで子育てを分担する現代の夫婦にとって、多くの人が経験する「リアル」なのかもしれません。夫が人生の節目で感じる達成感と、妻がまだ「やり切れていない」と感じる課題感。このすれ違いは、夫婦が共に成長し、変化していく過程で向き合うべき一つの側面と言えるでしょう。
【参考】 https://news.yahoo.co.jp/articles/21f8f309c9f0f0373d2a52d0de4267ef1e6f592d