プロのトラベルライターである私にとって、異文化体験や予期せぬ発見は旅の醍醐味です。しかし、初めての日本旅行では、これまであまり経験したことのない戸惑いを感じる場面がいくつかありました。電車での振る舞い方を知らなかったり、東京の街中では自分の服装が浮いているように感じたり。畳の上でスリッパを履いてはいけないことや、朝食に想像以上にたくさんの魚が出ることにも驚きました。新しい国を探検する冒険は大好きですが、日本での2週間は、事前に調べておくべきことがたくさんあったと痛感しました。
日本旅行中に文化の違いに直面するアメリカ人トラベルライター
旅行はツアー会社主催の中山道トレッキングから始まり、築数百年の古い旅館に宿泊し、伝統的な食事を楽しみました。その後は一転、予算を抑えながら3日間の東京一人旅へ。山間の静かな町から大都会への移動は、まるで全く別の世界に放り込まれたような感覚でした。振り返ると、アメリカ人である私が日本への飛行機に乗る前に知っておくべきだった、文化的な慣習や服装に関する暗黙のルールがいくつもありました。
日本旅行で見落としがちなマナーの壁
外国人旅行者にとって、日本の豊かな文化は魅力ですが、同時に戸惑いの原因となることもあります。特に、日常生活に根差したマナーや習慣は、ガイドブックに載っていても実際に体験しないとその重要性に気づきにくいものです。
畳の上でのNG行為:スリッパ問題
旅館での最初の夜、私はハイキングブーツを脱いで室内用スリッパに履き替えました。そのまま約4.5メートルほど進み、繊細な畳敷きの部屋に足を踏み入れたのです。アメリカのカーペットのようなものだと思い込み、室内ならどこでもスリッパで大丈夫だろうと考えていた私の行動は、すぐに旅館の女将さんに優しくもきっぱりと注意されました。
畳は稲藁やい草といった天然素材で作られており、非常にデリケートです。スリッパのまま歩くと、畳の表面を傷つけたり、埃や汚れを運び込んだりする原因となります。そのため、畳の部屋に入る際は、スリッパを脱ぎ、裸足か靴下で上がるのが正しいマナーとされています。これは、畳を大切にし、清潔な状態を保つための日本の習慣です。
場所ごとの履き替えルール
旅を続けるうちに、日本では場所によって履物を頻繁に履き替える必要があることに気づきました。多くの日本の家庭や伝統的な宿泊施設では、まず玄関で靴を脱ぎ、室内用のスリッパに履き替えます。さらに、トイレに行く際には、その部屋専用のトイレ用スリッパに履き替え、用を済ませた後は再び室内用スリッパに戻すのが一般的です。私が訪れたほとんどのレストランやカフェでも、トイレには専用のスリッパが用意されていました。このような場所に応じた履物の使い分けは、清潔を保ち、それぞれの場所の機能を明確にするという日本の文化的な配慮に基づいています。
まとめ:異文化理解の重要性
初めての日本旅行でのこれらの経験は、たとえ経験豊富なトラベルライターであっても、事前の文化理解がいかに重要であるかを教えてくれました。特に、畳の上でのスリッパ使用や、場所ごとに履物を履き替える習慣は、日本の清潔さや規律を重んじる文化が反映されたものです。これらの習慣を学ぶことは、単に失敗を避けるだけでなく、その背景にある文化を尊重し、より深く日本を理解することにつながります。これから日本を訪れる外国人旅行者の方々には、こうした小さな文化的な違いにも目を向け、素晴らしい旅にしていただきたいと思います。
Source: https://news.yahoo.co.jp/articles/fdeb9d27e226e44c26aecb60f4791a307070b6fc