自民党の青年局長を務める中曽根康隆衆議院議員は、祖父に中曽根康弘元首相、父に弘文元外務大臣を持つ政界のホープだ。物価高や少子化、安全保障など、日本が直面する山積する課題に対し、現役世代の代表として活発な議論を展開している。同氏が座長を務める「立候補年齢引き下げ実現プロジェクトチーム」の取り組みが注目を集めている。なぜ今、立候補年齢の引き下げが喫緊の課題とされているのか、中曽根氏の考える理由を探る。
立候補年齢引き下げが求められる3つの理由
議会への「次世代の声」反映
現状、議会は高齢層に偏っており、若い世代が直面するリアルな課題が十分に議論されていない。多様な世代の意見を政治に反映させるには、若手議員を増やすことが不可欠だ。立候補年齢を下げることは、この世代間バランスを是正する第一歩となる。
深刻な「議員のなり手不足」対策
特に地方議会で深刻な問題となっているのが議員のなり手不足だ。ある試算では、2027年の統一地方選挙では、全国の地方議会の3割以上で定員割れが発生する恐れがある。意欲ある若い世代や学生が、政治の場に挑戦しやすい環境整備が急務となっており、被選挙権年齢の引き下げは、この現実的な課題への処方箋となり得る。
若年層全体の政治参画意識向上
立候補年齢を引き下げること自体が、若い世代が政治を身近に感じ、主体的に関わろうとする意識を高めるきっかけとなる。被選挙権年齢を議論することで、選挙や政治そのものへの関心向上も期待できる。これは、将来の日本を担う世代の政治参画を促す上で重要な施策だ。
実現への課題と今後の展望
立候補年齢の引き下げには、少年法との整合性や、議員となった学生の学業両立など、クリアすべき論点が存在する。しかし、自民党は参院選公約に「引き下げに向けた法整備を進める」と明記するなど、具体的な前進を見せている。中曽根氏は、選挙権年齢と同じ18歳への引き下げを理想としつつも、2027年の統一地方選を見据え、まずは衆議院や地方議会の20歳への引き下げといった、より現実的な処方箋からのアプローチも視野に入れている。プロジェクトチーム座長として、党内の合意形成を図り、早期実現を目指す考えだ。
若い世代の政治参画を訴える自民党青年局長・中曽根康隆氏
立候補年齢の引き下げは、単なる制度改革ではなく、日本の政治改革を進め、将来にわたって持続可能な民主主義を築くための重要な一歩だ。特に地方議会の危機に対応し、多様な声が反映される政治を実現するため、中曽根氏を中心とした取り組みの行方が注目される。