アメリカ連邦地裁、トランプ政権の移民摘発中止命令

アメリカの連邦地裁は、トランプ政権が進める移民の摘発に関し、無差別な手法の中止を命じる仮処分命令を出しました。このアメリカ移民摘発中止命令は、カリフォルニア州の広範囲に影響を及ぼすものです。

連邦地裁の判断と命令内容

連邦地裁は、ロサンゼルスを皮切りに行われた移民摘発について、国土安全保障省（DHS）が十分な理由に基づかず実施したと認定しました。これに伴い、ロサンゼルスを含むカリフォルニア州内7郡における無差別な取り締まりを一時的に中止するよう命じています。

この決定は、南カリフォルニア自由人権協会（ACLU）などが、不当な摘発を受けた5人の個人と複数の移民支援団体を代表し、トランプ政権を相手取って訴訟を起こしたことを受けたものです。

トランプ政権の移民政策に関する連邦地裁の仮処分命令を示す資料写真

フリンプオン判事は命令の中で、摘発の根拠として、外見から推定される人種、話す言語やなまり、あるいは従事している業種だけを用いることは許されないと明確に指摘しました。さらに、移民収容施設に収容された人々が弁護士と自由に接見できる権利も保障するよう命じています。

この裁判の背景には、ロサンゼルスで発生した大規模な抗議活動があります。移民税関捜査局（ICE）による強硬な取り締まりが発端となり、抗議は拡大。これに対しトランプ政権が州兵や海兵隊を派遣するなど緊張が高まり、一部では暴徒化する事態も見られました。

ロサンゼルスでの移民関連の抗議活動に参加する人々の様子

今回の連邦地裁によるアメリカ移民摘発中止命令は、トランプ政権の無差別な摘発に対し法的な制限を設け、収容者の権利保護にも言及した重要な判断です。