小島被告「3人殺すと死刑なので、2人までと」 新幹線殺傷公判





神奈川県警小田原署から移送される小島一朗容疑者=2018年6月11日(川口良介撮影)

 昨年6月、東海道新幹線で乗客の男女3人が殺傷された事件で、殺人や殺人未遂の罪に問われた無職、小島一朗被告(23)の裁判員裁判の第3回公判が4日、横浜地裁小田原支部(佐脇有紀裁判長)で開かれた。被告人質問で小島被告は「無期懲役で(刑務所に)永遠に入っていたかった。無差別殺人が一番簡単だと思ったから選んだ」などと犯行の動機を語った。

 小島被告は、長野県内でホームレス生活をしていた昨年3月中旬から同下旬の間に、新幹線内で無差別殺人事件を起こすことを計画。「3人殺すと死刑になるので、2人までにしようと思った。1人しか殺せなかったら、あと何人かに重傷を負わせれば無期懲役になると思った」と話した。

 新幹線で通路側の席に座った理由は、窓際の席に座った人の退路を断つとともに、「すぐに次の標的に向かいやすいため」と説明。窓際の席に座るのが、「男だろうと女だろうと、子供だろうと老人だろうと、人間だったら(殺して)やりました」などと発言した。

 一方、検察側が「なぜ、刑務所の暮らしが外よりいいと思うのか」と質問すると、「いいところを言うと、いいところが変えられてしまうかもしれない」と、説明を拒んだ。

 公判では、小島被告の精神鑑定をした鑑定医も出廷。小島被告は、他者が自分を攻撃しているなどと感じる「猜疑(さいぎ)性パーソナリティー障害」に該当し、犯行動機の形成に影響を与えた可能性を示唆した。しかし、犯行は計画的で、意識障害や妄想によるものとは認められず、「正常の心理で行なったものと変わりなく、被告人の精神状態が犯行に影響を及ぼしたものではない」と証言した。

 起訴状などによると、小島被告は昨年6月9日夜、新横浜-小田原間を走行中ののぞみ車内で、女性2人をなたで切り付けてけがを負わせ、止めに入った兵庫県尼崎市の会社員、梅田耕太郎さん=当時(38)=にも切り付けるなどして、殺害したとしている。



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