長年、家庭の常備薬として親しまれてきた塗り薬タイプの風邪薬「ヴイックス ヴェポラッブ」について、大正製薬は2024年9月30日をもって同社からの販売を終了すると発表しました。この一報は、SNSを中心に多くの利用者に衝撃を与え、製品の将来に注目が集まっています。しかし、世界的に「ヴイックス」ブランドを展開するプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)社が新たな販売元とのパートナーシップを模索しており、国内での販売が継続される可能性も示唆されています。
現状と今後の販売見通し
大正製薬が今回販売終了を発表したのは、「ヴイックス ヴェポラッブ」全製品です。これは同社による国内販売の終了を意味しますが、製品自体が完全に市場から姿を消すわけではありません。P&G社は、今後も「ヴイックス ヴェポラッブ」を日本国内で流通させるため、新たな販売パートナーを見つけるべく準備を進めているとされており、消費者の不安を和らげる一筋の光となっています。一方、大正製薬が現在販売している「ヴイックス メディケイテッド ドロップ」「ヴイックス メディカル トローチ」「ヴイックスのど飴」といった他のヴイックス製品については、引き続き販売が継続されることが明らかにされています。
「ヴイックス ヴェポラッブ」の特性と人気の背景
「ヴイックス ヴェポラッブ」は、胸やのど、背中に塗ることで、有効成分が体温で温められて蒸気となり、鼻づまり、くしゃみ、咳などの風邪の諸症状を緩和する塗り薬です。特に小さなお子さんのいる家庭では、内服薬が飲みにくい場合に重宝され、「育児の強い味方」「子育ての必需品」として、長年にわたり多くの家庭で愛用されてきました。その独特な香りと使用感は、多くの日本人にとって「家庭の思い出そのもの」として記憶されています。
「ちいかわ」コラボとSNSでの反響
近年、「ヴイックス ヴェポラッブ」は、人気漫画家ナガノさんの手掛ける「ちいかわ」にも登場し、新たなファン層からの注目を集めました。「ちいかわ」とのコラボレーションによる限定グッズが当たるキャンペーンなども展開され、製品は再び脚光を浴びています。
人気キャラクター「ちいかわ」とのコラボレーションで注目を集めたヴイックス ヴェポラッブ
今回の販売終了発表は、X(旧Twitter)で「ヴイックス ヴェポラッブ」がトレンド入りするほど大きな反響を呼びました。ユーザーからは、「ヴェポラッブないと育児できないよ!」「もはや命綱なので、絶対無くならないで」「当面、入手しにくくなる可能性が」といった動揺の声が多数寄せられています。また、製品名の最後が「ブ」で終わることに初めて気づいた人も多く、「ずっとヴェポラップだと思ってた」「私この歳までずっとヴェポラップって言ってた」といった驚きの声も相次ぎ、改めてその存在の大きさが浮き彫りとなりました。
今後の展望
大正製薬からの販売は終了しますが、P&G社が引き続き国内での供給を目指していることから、「ヴイックス ヴェポラッブ」が完全に市場からなくなるわけではないと見られています。日本の多くの家庭にとってかけがえのない存在であるこの製品が、新たな販売体制のもとで今後も安定して供給されることを、多くの人々が期待しています。一時的に入手困難になる可能性も指摘されているため、今後のP&G社からの正式な発表が待たれます。
参考資料
- 中日スポーツ. 「ヴイックス ヴェポラッブ」販売終了のお知らせ. (参照日: 2024年7月14日). https://news.yahoo.co.jp/articles/637c1fb9ff0596ecf7a67c55a9271088d1c32e82