石破首相、参院選遊説で相次ぐ「応援拒否」―自民党の逆風鮮明に

7月20日の投開票日を間近に控えた参院選において、自民党が厳しい「逆風」にさらされる中、全国各地で遊説を展開している石破茂首相が、複数の地域で応援演説を断られている実態が「週刊文春」の取材で明らかになりました。この状況は、現在の政治情勢における自民党の苦戦を象徴しているとも言えます。

参院選において、自民党公認候補者は現職の白坂亜紀氏。当初、石破首相は7月13日に大分選挙区に入り、白坂氏の応援に立つ予定でした。現地の県政担当記者は、この応援が取りやめになった背景について次のように語っています。「前日の12日には小泉進次郎農相が大分入りし、現場は大きく盛り上がっていました。その高揚した雰囲気に水を差すことを避けたいとの意向から、石破首相の応援が中止になったと聞いています。結果として、首相は福岡県へと向かうことになりました。」

白坂氏にこの件について尋ねると、「お断りしたわけではないのですが、小泉大臣をはじめとする大臣方が続々と入っていらして、県警の方々も恐らく疲弊されているだろうと。総理が来られる日が小泉大臣の次の日で、警備の面でも少し懸念がありました」と述べ、警備上の問題を理由に挙げています。しかし、この説明に対し、大分県警察本部の警備運用課は次のような見解を示しています。

来県予定を認知した場合には「万全を期している」

「警護対象者の日程につきましては、選挙情勢等に応じて各政党が判断されるものと承知しております。なお、一般論として申し上げますと、警察では、警護対象者の来県予定を認知した場合には、その日程に合わせて速やかに態勢を構築するなど、警護の万全を期しているところです。」

参院選の遊説で地方を回る石破茂首相、複数の選挙区で応援が断られている状況参院選の遊説で地方を回る石破茂首相、複数の選挙区で応援が断られている状況

大分県だけでなく、石破首相の応援がキャンセルされたケースは他にも存在すると報じられています。7月16日(水)12時に配信された「週刊文春 電子版」および7月17日(木)発売の「週刊文春」では、今回の参院選を総力取材。自民党と公明党が設定した「50議席」という勝敗ラインを巡る石破首相の驚くべき言動、応援先で立ち往生した事件、トランプ関税に対する首相の「右腕」の楽観的な見方、そして選挙後を見据えた小泉進次郎氏の発言など、多岐にわたる詳細が報じられています。

参院選の投票日が迫る中、石破首相の地方遊説における相次ぐ「応援拒否」は、自民党が直面する厳しい選挙戦の現実を浮き彫りにしています。今後の選挙情勢の推移、そしてその結果が、日本の政治にどのような影響を与えるのか、注目が集まります。

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