アルピニストの野口健氏(51)が7月18日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、自民党の現状と今後の政局に対する深い懸念を表明しました。野口氏は、長きにわたり日本政治を牽引してきた巨大組織が、ある「1人のリーダー」を失ったことで急速に力を失いつつあるという認識を示しています。
野口氏の投稿内容:自民党の「末期的な空気感」
野口氏の投稿は、産経ニュースが報じた、自民党の石破茂氏(元幹事長)が参院選の応援先で候補者側から敬遠される動きが出ているという記事を引用する形でなされました。この状況に対し、野口氏は「もう末期的な空気感なのでしょうか。1人のリーダーを失ってからこの歴史ある巨大組織があっという間に総崩れしていく」とコメント。ここで言及されている「1人のリーダー」は、2022年7月に銃撃され亡くなった安倍晋三元首相を指していると広く解釈されています。
続く政局の混乱と国民へのメッセージ
野口氏はさらに、現在の日本政治が直面する不安定さについて言及。「これからしばらくは不安定な政局が続くのでしょう。野党もバラバラですし」と述べ、与野党ともに確固たるリーダーシップが見当たらない現状を指摘しました。そして、「あの悪夢のなんちゃらの再来にならない事を願いつつも、ひょっとするとそれ以上の事態に陥ることも覚悟しなければならない」と、過去の混乱期を上回る危機が訪れる可能性にも触れています。
体制が大きく変わる際には混乱が伴うものであり、その期間は「長い目で見たら必要なのかもしれない」との見解も示しました。その上で、野口氏は国民に向けて「国がしっかりと立ち直るまで、我々、国民は独自の知恵と努力で生きていく。これまでもそうであったように、この国は政治より国民の勤勉さによって保たれてきたのだから」と、政治に頼り切るのではなく、国民一人ひとりが自らの力で生きていくことの重要性を強調しました。
アルピニスト野口健氏が自民党の現状について懸念を表明する姿 (2024年11月撮影)
野口氏のこの投稿に対しては、「この焼け野原から、新しい芽が芽吹き大木が育つ その過程をこれから見られるのだと思います」「未来のために、今、直視しないとならないと感じています」「多くの有名人、タレントさんが『このままでいいのか?投票行こうぜ』こんなの初めて見ました」といった、共感や政治への関心を促す声が多数寄せられています。また、「野口さん、立候補しませんか?」「野口さん、安倍総理の遺志を継いでください」など、氏の政治参加を望む声も見られました。
野口氏の発言は、現在の日本政治が抱える構造的な問題、特に与党の求心力低下と次なるリーダーシップへの不安を浮き彫りにしています。国民の勤勉さに支えられてきたという日本の特性を挙げつつ、今後の政局の行方と、それにどう向き合うべきかについて、社会に一石を投じる形となりました。
参考文献