ステーキガスト食べ放題は「元が取れる」のか?専門家が徹底検証

すかいらーくグループが展開する「ステーキガスト」が、食費高騰の時代に逆行するように、魅力的な「食べ放題」を提供し、注目を集めています。特に毎月29日前後に設定される2900円の低価格コースは、全国の焼肉チェーンが提供する3000円を超える食べ放題と比較しても非常に割安に感じられます。あらゆる食材が値上がりする中、「ステーキ食べ放題」を継続するチェーン店は希少な存在です。飲食店の食べ放題取材を重ねてきた筆者が、その隠された工夫と、果たして本当に「元が取れる」のかを検証しました。

ステーキガスト食べ放題の概要と「元が取れる」境界線

ステーキガストの食べ放題は、全国81店舗で月に一度のペースで開催されており、制限時間は90分間です。提供されるコースは「カットステーキコース」(2900円)と「プレミアムステーキコース」(5800円)の2種類。それぞれのコース内容と、「元が取れる」ラインを詳しく見ていきましょう。

カットステーキコースの詳細

「カットステーキコース」は、メインの肉料理4品と豊富なサイドメニューが食べ放題となる最もリーズナブルなコースです。
具体的なメニューは以下の通りです。

メイン料理

  • 熟成やわらかカットステーキ(※下ごしらえで調味液に浸漬)
  • 炭焼き風チキンステーキ
  • 洋風牛煮込み
  • ミニハンバーグ

サイドメニュー

  • ドリンクバー
  • 健康サラダバー
  • スープ
  • ライス
  • 日替わりカレー
  • パン

メイン料理の中でも特に人気が高い「熟成やわらかカットステーキ」の通常価格は1099円です。食べ放題コースが2900円であることを考慮すると、単純計算でこのカットステーキを3皿食べれば、コース料金の元を取れることになります。これは、コストパフォーマンスを重視する利用者にとって重要な指標となるでしょう。

プレミアムステーキコースとの比較

プレミアムステーキコース(5800円)は、カットステーキコースで提供される4品に加えて、「熟成赤身ステーキ」と「熟成肩ロースステーキ」の2品が追加で食べ放題の対象となります。より多様な種類のステーキを堪能したい方には魅力的な選択肢です。

専門家が体験するステーキガストの食べ放題

今回、筆者は埼玉県にある「ステーキガスト 上戸田店」で、2900円のカットステーキコースを注文し、実際の食べ放題を体験しました。店内には、お一人様で食べ放題に挑戦する客の姿も見受けられ、その手軽さと人気がうかがえます。

ご飯、サラダ、ジュースをセルフサービスで取って席に戻り、約5分ほど待っていると、白い湯気に包まれた熱々の鉄板が運ばれてきました。香ばしい匂いがテーブルいっぱいに広がり、食欲が刺激されます。

ステーキガストの食べ放題コースに挑戦する様子。テーブルに運ばれた肉料理とサイドメニューが並ぶ。ステーキガストの食べ放題コースに挑戦する様子。テーブルに運ばれた肉料理とサイドメニューが並ぶ。

運ばれてきた鉄板の上には、食欲をそそる9枚のカットステーキが整然と並べられていました。店舗スタッフに確認したところ、この一皿のステーキの重量は200グラムとのこと。最も安価な通常のカットステーキが140グラムであることを考えると、食べ放題の一皿はそれよりもボリュームがあり、提供される肉の量も十分であると言えます。

ステーキガスト上戸田店で提供された、湯気が立ち上るカットステーキ。熱々の鉄板に9枚の肉が盛り付けられている。ステーキガスト上戸田店で提供された、湯気が立ち上るカットステーキ。熱々の鉄板に9枚の肉が盛り付けられている。

まとめ

ステーキガストの食べ放題は、その価格設定、豊富なメニュー、そして提供される肉のボリュームにおいて、消費者に非常に魅力的な選択肢を提供しています。特に「熟成やわらかカットステーキ」を3皿食べるだけで元が取れるという計算は、コスパを重視する多くの人々にとって、挑戦してみる価値があることを示唆しています。希少な「ステーキ食べ放題」を提供する企業としての工夫と、実際に元が取れるのかどうかという読者の疑問に対し、本記事では具体的な情報と実体験を基に検証を進めました。

参考資料