天皇皇后両陛下と長女の愛子さまは7月18日午後5時、ご静養のため皇居から栃木県那須町の那須御用邸付属邸に到着された。日本赤十字社に勤務される愛子さまは夏季休暇を利用し、ご一家で約一週間の滞在を予定されている。那須でのご静養は愛子さまにとって20年ぶりの7月訪問となり、到着時のコメントからもその喜びが伺える。ご一家の仲睦まじい姿は、これまでも多くの人々に温かい感動を与えてきた。
那須御用邸でのご到着と「リンクコーデ」の背景
18日午後1時半ごろ、皇居を出発された天皇ご一家は、皇后雅子さまと愛子さまが車の窓を開け、沿道に集まった人々へ笑顔で手を振って応えられた。那須御用邸に到着後、敷地内の休憩所「嚶鳴亭」周辺を散策されたご一家は、家族の絆を感じさせる「リンクコーデ」の装いだった。これは、今年6月4日から5日にかけて戦後80年の節目に訪問された沖縄にちなんだもので、天皇皇后両陛下はユリの柄のかりゆしウェアを、愛子さまはかりゆしワンピースをお召しになっていた。
昨年、日本赤十字社に入社された愛子さまは、ご公務との兼ね合いでご一家そろっての那須ご静養は9月であったが、今年は7月の夏季休暇取得が叶った。愛子さまは、記者からの質問に対し「7月に那須に伺うのは4歳の時以来20年ぶりくらいなので、また違う楽しみが見つけられそうで」と、久しぶりの夏のご静養への期待を語られた。
那須御用邸でかりゆしウェアを着用し、ご静養中の天皇皇后両陛下と愛子さま。
幼少期から変わらぬ愛子さまのご静養での微笑ましい姿
ご静養先での愛子さまは、幼い頃から常に可愛らしい姿で、ご一家だけでなく周囲の人々にも笑顔をもたらしてきた。特に記憶に残るのは、2002年8月、生後8カ月の愛子さまがご一家と栃木県の沼原湿原を散策された際のエピソードである。休憩場での一コマでは、愛子さまが当時の皇太子さま(現在の天皇陛下)の頬を優しくつつく様子が見られた。
2002年、沼原湿原で幼い愛子さまが当時の皇太子さま(現在の天皇陛下)の頬を優しくつつく微笑ましい瞬間。
雅子さまに抱きかかえられた愛子さまは、手を伸ばして皇太子さまの顔に触れられ、満面の笑みを浮かべていらっしゃった。これに対し、「パパ」である皇太子さまも、愛子さまの笑顔に勝るとも劣らないほどの輝く笑顔で応えられた。隣で見守る雅子さま(当時の皇太子妃)もまた、優しい微笑みを浮かべ、その場に居合わせた人々からも笑みがこぼれていたという。
那須ご静養が育む皇室と国民の温かい交流
天皇ご一家の那須でのご静養は、公務から離れての家族の時間であると同時に、国民との温かい交流の機会ともなっている。特に愛子さまが日本赤十字社でのご勤務を始められた今、こうしたご静養での姿は、皇室が国民生活に寄り添う姿を改めて示すものと言えるだろう。20年ぶりの7月訪問という特別な意味を持つ今回の那須ご静養が、ご一家にとって実り多く、国民にとっても温かい記憶として刻まれることを願う。