インド出身のシンドゥ・マハデヴァン氏は、米国の厳しい移民制度に直面し、ついにカナダへの移住を決意しました。グリーンカード取得の見通しが全く立たず不安定な日々を送った後、2021年にカナダの永住権を取得し、「居場所がある」という大きな安心感を得ました。本記事は、彼女のアメリカからカナダへの移住経験に関するインタビューに基づいています。
カナダの永住権を取得し、安堵の表情を見せるシンドゥ・マハデヴァン氏。アメリカでの移民生活を経て、新たな安定を手に入れた様子。
アメリカでの学業と就労における葛藤:在留資格の壁がもたらす不安
マハデヴァン氏は2012年にインドから渡米し、生物学の修士課程で学び、2014年に卒業しました。その後、アメリカで働き始めましたが、この国の移民制度の厳しさに次第に幻滅を感じるようになります。
彼女は留学生用のF-1ビザに付随するOPT(オプショナル・プラクティカル・トレーニング)とCPT(カリキュラー・プラクティカル・トレーニング)という二種類の就労許可を最大限に活用しました。しかし、これらの学生用就労許可が切れると、企業からのビザスポンサーが必要となるため、就職活動は困難を極めました。スポンサーを明言しない企業や、マハデヴァン氏が入社後にビザスポンサーの必要性を知ると連絡を絶つ企業もありました。
最終的に、彼女は医療機器業界でキャリアをスタートさせましたが、2018年までF-1ビザに基づく就労許可の下で働いていました。常に自身の在留資格が移民ステータスであることを強く意識せざるを得ず、雇用の不安定さから来る深い不安を抱えていました。時には、コンプライアンスに関する難しい会議の場で、自分の意見や行動を組織として統一しなければならない場面でも、なかなか発言できないことがありました。こうした心理的な負担は、彼女の仕事のパフォーマンスにも影響を及ぼしていると実感していたといいます。
アメリカでの厳しい経験を経て、マハデヴァン氏は制度との闘いをやめ、より安定した未来を求めカナダへの移住を決意。2021年には念願の永住権を取得し、アメリカでの高給を手放したものの、「居場所がある」という精神的な安心感と安定した生活を手に入れました。彼女の物語は、複雑な移民制度に直面する人々にとって、心の安らぎと長期的な安定を見出すことの重要性を示唆しています。
出典
Yahoo!ニュース (Business Insider Japan)
https://news.yahoo.co.jp/articles/1e2856b050cd017fcc7627c0a5874137567e02f6